かつてミランの名物会長として知られたシルヴィオ・ベルルスコーニ氏が28日にも、約1年半ぶりとなるサッカー界復帰を果たす。イタリア『メディアセット』など複数メディアが24日、伝えている。
まもなく82歳の誕生日を迎えるベルルスコーニ氏は、数カ月前からミラノ近郊に拠点を置くセリエC(イタリア3部)モンツァの買収計画を進めており、クラブの株式のうち95%を取得する形で合意に至った。一方、5%は現オーナーであるニコーラ・コロンボ氏率いる一族の手元に残る。ベルルスコーニ氏の誕生日の前日である28日には、正式契約および記者会見が行われ、ミランの元CEOアドリアーノ・ガリアーニ氏とともにクラブの構想について説明する。
ベルルスコーニ氏は1986年2月から31年間にわたってミランのオーナーとして活躍。イタリア国内、ヨーロッパ、世界のタイトルを合わせて29個獲得するなど、ミランの黄金期を築いた。またアッリゴ・サッキ氏やファビオ・カペッロ氏を監督に迎えたことで、現代サッカーの発展にも寄与した人物として知られる。
昨年4月にリー・ヨンホン氏率いる中国グループにチームを売却したが、新体制が苦境に陥ると、「もしこのような状況が続くようであれば、そのうち私がミランを買い戻すかもしれない」などと話し、サッカー界復帰へ意欲を見せていた。モンツァが拠点を置くスタディオ・ブリアンテオは、ベルルスコーニ氏が自宅を構えるアルコレからわずか数キロほどの距離にあるほか、ガリアーニ氏がクラブ幹部としてのキャリアをスタートした場所でもあり、2人にとって理想的な再出発の地であると言える。ベルルスコーニ氏らは今後、若手イタリア人選手を中心としたチーム作りを行い、若手の才能発掘に努めつつ、セリエA昇格を目指していく。今後の動向は注目されるところだ。
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