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好調の川崎フロンターレをけん引する若きアタッカーや左右両足を巧みに操るガンバ大阪DFらをピックアップ/今週のヤングガンVol.13

日本サッカーの未来を担うU-23世代を輝かせるべくスタートした『タグ・ホイヤー ヤングガン アワード』。Goalでは彼らの奮闘に注目し、U-23世代の活躍をピックアップしてお届け。明治安田生命J1リーグ第30節、明治安田生命J2リーグ第38節からは、4名のヤングガンを紹介する。

三好康児(川崎フロンターレ)

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鮮やかな一撃だった。中央のバイタルエリアで中村憲剛から縦パスを受け、サンフレッチェ広島DFを一瞬横にかわしながら左足を振り抜くと、無回転の弾道がゴール左スミへ。家長昭博の出場停止でつかんだチャンスに見事なゴールで応えただけでなく、守備でも相手のサイド攻撃を限定。鬼木達監督が求める役割に攻守両面で見事にこなした。

小学5年で川崎フロンターレU-12に加入し、そこから順調にステップアップを重ねてきた三好は各年代の代表でも中心的な存在となってきた。2013年にU-17ワールドカップに出場し、今年はU-20ワールドカップを経験したが、世界と戦う上での課題を突きつけられた大会でもあった。個を磨き、コンビネーションの中で輝く――。まさに川崎が目指すスタイルで中心的な役割を担うことが、23歳で迎える東京オリンピック、さらには日本代表という目標にもつながるはずだ。

初瀬亮(ガンバ大阪)

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浦和レッズとのアウェイゲームで、“両利き”の若武者が大きく輝いた。1点のビハインドで迎えた54分、敵陣中央右で得たFKを任されると、右足でファーサイドに正確なボールを蹴り、遠藤保仁のリターンからファン・フィジョの同点ゴールを導いた。そして2-3で迎えた後半アディショナルタイム、今度は左足で右CKを蹴ると、途中出場していた呉屋大翔の同点弾を演出。土壇場のゴールで引き分けに持ち込んだ。

激しい雨の中で行われた試合、初瀬は負傷欠場のオ・ジェソクに代わって右サイドバックで先発出場。前半から闘争心を見せながら、27分に長澤和輝へのタックルで警告を受け、後半にはラファエル シルバの対応に苦しむなど守備面で課題を残した。それでも生え抜きの両利きサイドバックが放つ鋭いクロス、正確なプレースキックがチームの貴重な武器になっていたことは間違いない。U-20ワールドカップを経験し、東京オリンピックでも主力候補としても期待されているだけに、ここからどう飛躍を遂げるか。彼のさらなる進化に注目しておくべきだろう。

杉岡大暉(湘南ベルマーレ)

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3-4-2-1システムで非常にタフなサッカーを展開してくる愛媛FCに対して、高卒ルーキーの左サイドMF杉岡大暉の活躍が光った。湘南ベルマーレは早い時間にCKから秋野央樹のゴールで先制した湘南に対し、愛媛が自慢のパスワークで反撃に出る。押し込まれる時間帯が生まれる中、左サイドハーフで起用された杉岡は相手のサイド攻撃をキッチリと食い止め、ピンチを未然に防ぐことに成功。

従来は豪快なオーバーラップや左足のクロスも武器とするが、この試合は雨中の悪条件下で守備における奮闘が目立った。市立船橋高から加入1年目の杉岡は3バックの左ストッパーもこなし、これで第17節から22試合連続フル出場。今年のU-20ワールドカップでは4バックの左サイドバックとして世界を経験したが、現在は左サイドMFとして攻守にわたって積極性を発揮している。デビュー当初はやや粗さの目立った一対一の対応にも磨きがかかってきた。このまま経験を積んで成長を続ければ、J1の舞台で大きくブレイクすることも夢ではないはずだ。

喜田拓也(横浜F・マリノス)

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激闘の末に首位を走る鹿島を止めた横浜F・マリノス。ゴールを決めた天野純や遠藤渓太が雨中に陽を照らす“表のヒーロー”だったとすれば、まさに雨中でハードワークして中盤からチームを支えた喜田拓也は“裏のヒーロー”だった。

鹿島アントラーズが採用するボックス型の4-4-2システムに対し、横浜FMは4-2-3-1を採用。中盤は非対称となるが、喜田は相手ボランチのレオ シルバや三竿健斗にプレッシャーを掛けながら、状況に応じてワイドから中央へ流れてくるレアンドロにも当たる。経験豊富な中町公祐の助けを得ながら相手のチャンスメイクを妨げ続け、ボールを奪えば素早く天野やダビド バブンスキーにつないだ。彼が起点になったいくつかのチャンスは惜しくもゴールに結び付かず、数分間のハイライトに彼の姿はほとんどない。しかし、首位撃破に大きく貢献した一人であることは間違いないだろう。

ジュニアから横浜FMの育成組織に在籍し、豊富な運動量と高いテクニックが売りだった彼はもともと攻撃的MFとして期待されたが、トップチームを目指す中で守備的な役割を担うボランチとして目覚め、強さをつけてきた。常に謙虚で、真っすぐな向上心を隠さない小柄なMFはさらに注目を浴びる資質を備える。

【今週のヤングガン プロフィール】 

三好康児(川崎フロンターレ)
初瀬亮(ガンバ大阪)
杉岡大暉(湘南ベルマーレ)
喜田拓也(横浜F・マリノス)

【TAG Heuer YOUNG GUNS AWARD】

Jリーグの次世代を担う若い選手層の育成・Jリーグの発展を目的に、各メディア・著名人など、本企画に賛同するアワード サポーターが、J1、J2、J3のクラブに登録されているU-23選手の中から候補者30名を選出。その後、一般投票を含む最終選考にて11名を選抜、2017年12月に表彰する。

詳しくは こちら から

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