1Akliouche(C)AS Monaco

モナコのアカデミー出身FWが語る南野拓実の凄みとは「僕たちにとって重要な選手」

■エンバペやアンリを輩出したアカデミー

現在22歳のアクリウシェは、2017年にモナコのアカデミー(Monaco Youth)に加入。2021年10月にトップチームでデビューすると、得意の左足を武器にアグレッシブな仕掛けを見せ、少しずつチーム内で評価を高めてきた。今季は開幕当初こそ途中出場が多かったが、第7節のマルセイユ戦で2得点1アシストを記録すると、スタメン出場の機会が増加。モナコの右サイドを支える選手の一人となっている。

アクリウシェがトップリーグで輝きを放つ中、ここまでの成長に大きく関わってきたのが世界でも屈指の育成組織を備えるモナコ・アカデミーだ。

「ここで働く人たちはプロの世界で豊富な経験を積んでいる人たちだ。小さい頃から勝利への欲求やサッカーに必要な集中力を教えてくれた。ここは選手としてだけでなく、個人としても成長させてくれる場所だ。みんなサッカーの中で成長していく。自分も同じ過程を経てきてよかったと思っているよ」

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フランス国内だけでも多くのアカデミー組織が存在する中、なぜモナコを選んだのか。その理由としてアクリウシェは「ヨーロッパで最も優秀で効率的だからだ。マヌエル・ドス・サントスら経験豊富なトレーナーがいて、選手一人ひとりに多くの価値をもたらしてくれる」としつつ、「キリアン・エンバペやティエリ・アンリのような著名な選手を輩出してきた歴史も僕の選択に影響を与えた」と思いを明かした。

■タキは優しい人

monaco-interview©AS Monaco

確かな成長を経て、トップリーグに上がってきたアクリウシェは現在、日本代表でも主軸を務める南野とチームメイトとしてプレーをともにしている。アクリウシェから見る南野とはどんな存在か聞いてみた。

「タキは優しい人だね。彼はサッカーの技術でピッチに多くのものをもたらしてくれる。ファイナルゾーンでの精度が高く、ゴール前でのプレーも得意なインテリジェントな選手だ。彼の攻撃的な面での数字も印象的だね。僕たちにとって重要な選手だ。さらに、彼はいつも明るく、僕たちの日常に喜びをもたらしてくれるんだ」

ちなみにアクリウシェはマンガ好きで、南野から「『ワンピース』のネタバレを聞こうとしたが、秘密にされた」とのこと。「タキから『フランス語で自分で読めるまで待て』と言われた」と笑うなど、チームメイトとの関係も良好のようだ。

リーグ戦では現在3位につけるモナコ。残り8試合の状況で、チーム全体で目標と掲げるチャンピオンズリーグ出場権の奪取まであと一歩のところまできている。アクリウシェは「今シーズンの個人的な向上には満足している。僕らのチームとしての働きや個人個人の役割は、僕らのパフォーマンスを向上させるのに役立っているし、今シーズンを良い形で終えたい。シーズンは長いけど、特に最後の8試合に集中する必要がある」と語り、終盤戦を見据えている。

「リーグ・アンは時に過小評価される。非常にフィジカルなコンペティションで、チームはよく組織化されている。このリーグは今後数年でさらに良くなっていくと思うよ。今のところ個人としては順調に進歩しているし、フィールドで毎日いいパフォーマンスをしようと努力していきたい」と語ったアクリウシェ。モナコの新たなスターとしてさらなる存在感を発揮していくことになるか注目だ。

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