2022NXGN-JLeague-best11©GOAL

未来の日本サッカーを背負うJの若武者たち。ネクストジェネレーション「NXGN Jリーグ 2022」のベストイレブンが決定!

2022年の「NXGN Jリーグ」対象選手の条件は、Jリーグクラブに所属し、2001年1月1日以降に生まれた選手たち。出場時間や月間でのTwitter読者投票も加味し、編集部と識者で組織する選考委員会にて選出した。2024年のパリ五輪、そして、4年後のワールドカップでの飛躍が期待される若手選手たち。ここでは選出された11人を紹介していく。

■アカデミー出身、柏の若き守護神

20221227-kashiwa-sasaki-masato©J.LEAGUE/Getty Images

GK 佐々木 雅士(柏レイソル)
2002/5/1生まれ、185cm/79kg、千葉県出身
常盤平少年SC→柏レイソルU-12→柏U-15→柏U-18
2022シーズン成績:J1リーグ20試合、ルヴァン杯5試合

U-12年代から柏の下部組織で育つ生え抜きであり、2021シーズンより正式にトップチーム昇格。当初は韓国代表GKキム・スンギュの高い壁に阻まれていたものの、2022年夏に同選手がサウジアラビアに移籍したところからチャンスをものにした。浦和レッズGK鈴木彩艶など高いポテンシャルを秘める選手が多いこの世代のGKだが、今季の佐々木はその中でも特に多くの試合に出場して猛アピール。特に夏場の第21節から第23節にかけては圧巻の3試合連続クリーンシートとインパクトを残した。安定したセービング能力に加えて攻撃の始点としても存在感を示し、日本の将来を担う守護神の一人として大きな期待を抱かせている。

以下に続く

■豊富な出場経験を持つ期待の右SB

20221227-yamagata-handa-riku©J.LEAGUE/Getty Images

DF 半田 陸(モンテディオ山形)
2002/1/1生まれ、176cm/63kg、山形県出身
上山カメレオンFC→モンテディオ山形Jrユース村山→山形ユース
2022シーズン成績:J2リーグ35試合、J1参入PO2試合

ジュニアユースから山形の下部組織で育ち、同世代の代表的なディフェンダーの一人として君臨し続ける半田。2021年よりトップチームの右サイドで絶対的な主力となり、今季もキラリと光る判断力で攻守にチームを支えた。サイドバックとして、守備の部分では身体能力の高さと豊富な経験値に裏付けされた安定感抜群のプレーを継続しており、現代型DFとして順調に成長を続けている。2024年のパリ五輪、さらには2026年W杯で鍵を握ると目される選手の1人だ。

■桜愛にあふれる現代型CB

20221227-cerezoosaka-nishio-ryuya©J.LEAGUE/Getty Images

DF 西尾 隆矢(セレッソ大阪)
2001/5/16生まれ、180cm/77kg。大阪府出身
FCグラシオン→セレッソ大阪U-15→C大阪U-18
2022シーズン成績:J1リーグ24試合、ルヴァン杯5試合

C大阪アカデミーの一つ上の先輩である瀬古歩夢が欧州へ旅立った後、昨年に引き続きディフェンスラインの一角を担った。体格はそれほど大きくはないものの、鋭い読みと身体の使い方で攻撃的な守備を今季も光らせた。また、中止となったが22年1月に予定されていたキリンチャレンジカップ2022・ウズベキスタン代表戦のメンバーにも選出されている。この世代のセンターバックとして、J1リーグで経験を積む稀有な存在であり、世代別代表との往復の中でもトッププレーヤーに求められる調整能力を身につけつつある。

■光るフィードとパス能力

20221227-tokyoverdy-baba-seiya©J.LEAGUE/Getty Images

DF 馬場 晴也(東京ヴェルディ)
2001/10/24生まれ、181cm/76kg、千葉県出身
Refino→東京ヴェルディJrユース→東京Vユース
2022シーズン成績:J2リーグ31試合

馬場はアカデミーより東京Vの下部組織で育ち、今季から大幅に出場機会を増加させた。J2リーグの中でも最も脚光を浴びたニュースターの1人であり、ボランチでのプレーも可能なフィード能力や縦パスの質の高さは、特に主導権を握って試合を展開したいチームにとっては喉から手が出るほど欲しかった才能だろう。2023シーズンから北海道コンサドーレ札幌に完全移籍することが決定しており、一つ上のカテゴリでも最後方からゲームを組み立てる姿は注目を集めることになりそうだ。

■世代別代表の常連、年齢以上の経験値

20221227-tosu-nakano-shinya©J.LEAGUE/Getty Images

DF 中野 伸哉(サガン鳥栖)
2003/8/17生まれ、173cm/64kg、佐賀県出身
サガン鳥栖U-15→サガン鳥栖U-18
2022シーズン成績:J1リーグ19試合1得点、ルヴァン杯6試合

世代別代表の常連であり、2022シーズン終了時点で19歳という年齢ながらJ1リーグですでに多くの経験を積んでいる。22年はシーズン当初こそチーム内で厳しい争いを強いられたものの、夏ごろから左サイドの定位置を再びつかんだ。副主将としてチームを鼓舞する役割も果たしつつ、守備面でのミスを減らすとともに特に攻撃面での高い要求に応え続けている。もとより高く評価されていた才能を着実に花開かせており、武器の一つである高い精度のキックを有効に使用するための判断という部分でも積み重ねてきたものは大きい。

■高校No.1プレーヤーが見せた真骨頂

20221227-fctokyo-kuryu-matsuki©J.LEAGUE/Getty Images

MF 松木 玖生(FC東京)
2003/4/30生まれ、180cm/76kg、北海道出身
室蘭大沢FC→青森山田中→青森山田高
2022シーズン成績:J1リーグ31試合2得点

高校サッカーのヒーローとして期待を受けた松木はプロ初年度の今季、FC東京の中心選手として出場を重ね、国内トップカテゴリーでも、長所であるフィジカル能力とアグレッシブさを遺憾なく発揮。ポテンシャルと期待値の高さを踏まえればさらなる飛躍も求められるが、20歳以下ではJ1リーグにおいて主力の地位を守り続けた数少ない選手の一人であり、FC東京と対戦するどのチームにとってもケアが必要な存在となっていた。開幕前より騒がれていたスケールの大きさに疑いの余地はなく、その貪欲な姿勢で来季に向けてどのようなバージョンアップを図るか、サッカーファンの注目を集める。

■機動力を生かし、中盤の底で奮闘

20221227-kyoto-kawasaki-sota©J.LEAGUE/Getty Images

MF 川﨑 颯太(京都サンガF.C.)
2001/7/30生まれ、172cm/68kg、山梨県出身
フォルトゥナSC→ヴァンフォーレ甲府U-12→甲府U-15→京都サンガF.C.U-18
2022シーズン成績:J1リーグ28試合1得点、ルヴァン杯3試合、J1参入PO1試合

昨年も主力として京都のJ1昇格をけん引し、カテゴリが上がった今季も世代の枠を超えてキープレーヤーの一人としてプレーできることを示した。チーム全体としては厳しい戦いが続いてJ1参入プレーオフに回ることとなったが、PO決定戦のロアッソ熊本戦でも中盤の底として戦いをオーガナイズ。攻撃的な相手との一発勝負で攻め込まれる時間も多かった中、ピッチ中央での奮闘でJ1残留に大きく貢献した。機動力を生かした攻守のアグレッシブなプレーは大胆に見えることもあるが、状況判断能力と基礎技術の高さでそのプレーモデルに安定感を加えている。

■30試合に先発した、“大宮のメッシ”

20221227-omiya-shibayama-masaya©J.LEAGUE/Getty Images

MF 柴山 昌也(大宮アルディージャ)
2002/7/2生まれ、161cm/59kg、群馬県出身
高崎FC中川→大宮アルディージャJrユース→大宮U18
2022シーズン成績:J2リーグ35試合3得点

大宮の下部組織出身。途中出場が多かったものの、昇格初年度の昨季から多くの出場機会を得てきた。今季は30試合に先発して両サイドで躍動し、3得点8アシストをマークした。161cmと小兵ながらその技術力の高さは“大宮のメッシ”という表現に違わず、特筆すべきは起用されるサイドによって違った武器を輝かせるという点だ。レフティーということもあり、左サイドで起用された際には縦の突破から正確なクロスを供給。右サイドではキレのあるドリブルから中央に切り込んで決定的な役割を果たすことができ、戦術的にも高い価値を示した。

■J2優勝&J1昇格の原動力

20221227-niigata-shunsuke-mito©J.LEAGUE/Getty Images

MF 三戸 舜介(アルビレックス新潟)
2002/9/28生まれ、164cm/60kg、山口県出身
原サッカースポーツ少年団→JFAアカデミー福島U-15→JFAアカデミー福島U-18
2022シーズン成績:J2リーグ24試合6得点

元日本代表FW田中達也氏が着用していた背番号14を今季から継承し、6ゴール2アシストを記録した三戸。J2優勝&J1昇格の原動力となったアタッカーはシーズン序盤に途中出場から圧倒的な攻撃的性能を見せつけて定位置を奪取した。夏場には負傷により長期離脱を強いられたが、9月に復帰を果たすと、攻撃の切り札としてその影響を感じさせないプレーを披露。特に最終節FC町田ゼルビア戦では2得点を決めて2-1の勝利の立役者となり、新潟の中心として来季J1の舞台でもサプライズを巻き起こす予感を漂わせた。

■強さと速さ、裏抜けでゴールに迫る

20221227-kashiwa-mao-hosoya©J.LEAGUE/Getty Images

FW 細谷 真大(柏レイソル)
2001/9/7生まれ、177cm/69kg、茨城県出身
柏レイソルA.A.TOR'82→柏レイソルU-15→柏U-18
2022シーズン成績:J1リーグ33試合8得点

Jリーグのベストヤングプレーヤー賞に輝いた細谷。昨季より徐々に頭角を現し、今季は特にシーズン折り返しまでに6得点を奪うなど序盤の好調が目立った。7月にはEAFF E-1選手権に臨む日本代表メンバーにも名を連ね、中国代表戦でA代表デビューも果たしている。終盤に入ってから得点ペースには陰りが見えたものの、守備での貢献度も高く、主力ストライカーとして必要な要素を兼ね備えていることは間違いない。裏抜けからゴールにその迫るプレーを得意としているだけに、蓄積した駆け引きの経験を生かして来季どのような進化を遂げるかにも注目だ。

■J2で実績を重ねる万能型ストライカー

20221227-tokushima-shota-fujio©J.LEAGUE/Getty Images

FW 藤尾 翔太(徳島ヴォルティス)
2001/5/2生まれ、180cm/67kg、大阪府出身
リップエースSC→リップエースSCJrユース→セレッソ大阪U-18→C大阪→水戸ホーリーホック→C大阪
2022シーズン成績:J2リーグ30試合10得点、ルヴァン杯2試合

2022シーズン、セレッソ大阪から期限付き移籍で徳島に加わった藤尾。昨季夏には水戸ホーリーホックに期限付き移籍しており、その際にもJ2リーグ22試合8得点と躍動した。対策が厳しくなったが、今季はキャリアハイの二桁得点に乗せ、スコアラーとして天性の嗅覚を示した。中盤からボールを引き出す動きは徐々に向上し、ボックス内での落ち着きやゴールを奪うためのポジショニングはこの世代でも随一。万能型FWとしてスケールアップを続けているだけでなく、ストライカーというポジションにおいて何よりも2年連続で結果を残したということが大きな価値を持つ。

■「NXGN Jリーグ 2022」ベストイレブン

パリ五輪世代であるU-21日本代表はAFC U-23アジアカップ、U-19日本代表は、AFC U-20アジアカップ予選などと両立する中で、選手たちは今季も難しい調整を強いられてきた。サッカージャーナリスト河治良幸氏、MILKサッカーアカデミー・ノーミルク佐藤氏、そしてGOAL編集部によるNXGN選考委員会では、タフな日程でもクラブで絶対的な地位を築けているか否かを重要な要素と見なしたが、ベストイレブン以外にも多くの若手が候補に挙がった。

J1王者・横浜F・マリノスのMF藤田譲瑠チマも質の高さに疑いの余地はなく、浦和レッズGK鈴木彩艶も強烈なライバルと切磋琢磨しているという点も含めて大きな期待を抱かせる存在だ。さらに、J3リーグでは清水エスパルスからFC今治に期限付き移籍していたFW千葉寛汰(来季徳島に期限付き移籍)が22試合12得点、松本山雅FCのFW横山歩夢(来季鳥栖に完全移籍)が29試合11得点と躍動。夏に湘南ベルマーレを飛び出して、ベルギー挑戦を決断したMF田中聡も、間違いなくずば抜けたパフォーマンスを発揮していた一人だった。

広告