Alvaro Fernandez NXGN GFXGOAL

アルバロ・フェルナンデス:レアルからマン・Uに加入したモダン・サイドバック

待望の日はお預けになってしまったが、その瞬間が訪れることはオールド・トラッフォードの周辺から感じることができる。

フェルナンデスは、昨シーズン最後の4試合にベンチ入りを果たした。クラブのU-23年間最優秀選手賞に選出されたほど調子が良いことを評価されたのだ。

ユナイテッドがシーズン前の練習を始める中、この19歳はエリック・テン・ハーグが行った最初の練習に呼ばれていた。フェルナンデスは新監督の目に留まる機会を早くから与えられたのだ。

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フェルナンデスは2020年にレアル・マドリーからユナイテッドに加入。ユナイテッドがヨーロッパの主要クラブから積極的に若手を引き抜き、自分のアカデミー組織に落とし込もうという戦略の一環であった。それ以来、キャリントンで素晴らしい印象を残し続けた。7月下旬にチャンピオンシップ(イングランド2部)のプレストン・ノースエンドへ武者修行に出ることが決まったが、おそらくテン・ハーグも彼のパフォーマンスに良い印象を持つだろう。

ハンニバル・メイブリはモナコからすでに移籍してきており、フェルナンデスの加入と同時期に、マルク・フラドやアレハンドロ・ガルナチョがそれぞれバルセロナとアトレティコ・マドリーから加入した。

クラブはフェイエノールトのタイレル・マラシアを新たな左サイドバックとして獲得したものの、フェルナンデスは将来的にテン・ハーグの計画に入り込む可能性が高い選手だ。

いずれにせよ、フェルナンデスがユースで示していたパフォーマンスは無視することはできない。素早く、勇敢で、両足を使いこなし、得点嗅覚のあるフェルナンデスは、マンチェスター・シティのジョアン・カンセロのようなスタイルのモダンなサイドバックなのだ。狭いスペースから素早く抜け出し、パスでディフェンスを分断する技術と視野を持っている。

U-23チームに注目しているファンや、ソーシャルメディアでハイライトを見たファンの間では、カルト的な人気を集めている。特にスタンフォード・ブリッジで行われたチェルシー戦では個の力で素晴らしい得点を奪取。3人のディフェンダーを手玉にとってボックスに入り、角度のないところから弾丸シュートを決めてみせたのだ。

サイドバックに転向する前はフォワードであったフェルナンデスにとって、得点を決めることは自然なことだ。

「点を決めるのは大好きだ」。フェルナンデスは『マルカ』に対してこう語っている。

「ラシン・フェロルにいたときにはシーズン100点以上決めたこともあったよ」

ディフェンスに転向してから最も難しいと感じたプレーは「後ろに走ること」だと語るフェルナンデス。だが、マンチェスターに来てから守備の能力に成長が見られている。

「スペインには『攻撃、攻撃、攻撃』という文化がある」

ユナイテッドのユース世代で指導者を務めるポール・マクシェインは『マンチェスター・イブニング・ニュース』に対して、フェルナンデスと、逆サイドでプレーする同僚のフラドについて語った。

「彼らのメンタリティに、もうちょっと『守備、守備、守備』という意識を持ち込もうとしているんだ」

だが、フェルナンデスの攻撃面の本能こそ、見ていて心躍る、彼の魅力的な一面だ。理想のプレイヤーは、マドリーのレジェンド、マルセロ。2017年にデポルティーボ・ラ・コルーニャからレアルに加わって以来、後を追うことを夢見た選手だ。

だが、マドリーでの成長に陰りが見え始めた頃、ユナイテッドがフェルナンデスを獲得した。このティーンエージャーがパンデミックの真っ只中にもかかわらず新たな国に適応していく様子は、ピッチ上でのパフォーマンスと同じく素晴らしかった。

イングランドでの最初6カ月間、フェルナンデスは1時間の練習時間以外はずっと自室に閉じこもらなければならなかった。そこで時間を有効に使うことで、英語をかなり流ちょうに話せるようになった。

練習場では、マクシェインはフェルナンデスの守備を個別に担当することになった。一方で、フェルナンデスはイングランドサッカーのフィジカル面には十分対応できている。

「僕の特徴が完璧にフィットしているんだ」とフェルナンデス。「イングランドに来たのはディフェンス面を向上するためだ。クリスティアーノ(・ロナウド)、(フアン・)マタ、(ジェイドン・)サンチョ、(マーカス・)ラッシュフォードを練習で毎日マークしていて、上手くならないわけがないよ」

2021年8月、クリスティアーノ・ロナウドがユヴェントスからユナイテッドに加入し、最初の練習を行ったとき、フェルナンデスも同じ場所にいた。マドリーのスター選手だったポルトガル人FWを英雄視していたフェルナンデスにとって、大切な瞬間になった。

マタは先輩として同国出身のフェルナンデスの面倒を見てくれたが、今夏クラブを去ることになった。だがフェルナンデスは、メンターがいなくても競争に生き残ることができる性格と才能を持ち合わせている。

前への推進力だけでなく、彼の持ち合わせる大きな特徴の一つとして、タックルを好むことが挙げられる。もちろんこれは、理想とするもう一人の選手、セルヒオ・ラモスの影響だ。レンタルでの移籍で研鑽を積むことになるが、彼がトップチームでブレークするレベルになるとユナイテッドでは確信が深まっている。いずれにせよ、飛躍の時がもう少しのところに来ていることは間違いないだろう。

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