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極寒の平壌からジッダへ変更。なでしこジャパンが対戦する北朝鮮代表とは?勝負どころは立ち上がり

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■「対人の強さがすごいのはわかっている」

24日、なでしこジャパンと朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)女子代表との第1戦がサウジアラビア・ジッダのPrince Abdullah Al Faisal Stadiumにて行われる。

試合3日前の夜になってようやく開催地が決定する異常事態となったが、相手は変わらない。対戦する北朝鮮女子代表とはどのようなチームなのだろうか。池田太監督は「一人ひとりの走力があり、対人に強く、ロングボールを使った攻撃などゴールに向かう推進力のあるチーム」と評する。続けて「相手の強いプレッシャーを逆手に取ってかいくぐれるような、ボールの動かし方をしてゲームを進めながらゴールを目指したい」と勝利をつかみに行く。

北朝鮮との直近の対戦は昨年のアジア競技大会決勝戦だ。日本はフル代表ではなく、大会限定のメンバーだったが4-1で快勝している。唯一の得点者となったFWキム・キョンヨンはゴール前の強さがあり、大会得点王(5試合12得点)になったストライカーには注意が必要だ。そのラストパスを送った左サイドバックのウィ・ジョンシムはEAFF E-1 サッカー選手権 2017の優勝メンバーで、タイミングの良い攻撃参加で好機を演出する選手だ。2016 FIFA U-17女子ワールドカップで優勝してシルバーボールを獲得したFWソン・ヒャンシムの突破力にも気を付けたい。

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コロナ禍で長らく国際舞台から遠ざかっていた北朝鮮だが、昨年より国際大会に復帰して経験を積み、本来の強さを発揮してくるだろう。それがパリへの切符を懸けた場面となれば、想像以上の試合展開になるに違いない。アジア競技大会で北朝鮮と対戦した中嶋淑乃(サンフレッチェ広島レジーナ)は「対人の強さがすごいのはわかっているから、そこで負けないようにしたい」と力強く話す。

北朝鮮の基本のフォーメーションは[4-4-2]で中盤はフラットな並びが予想される。ボール奪取直後に全員がランニングをかける速攻に、なでしこジャパンが慌てずに対応できるのかに注目したい。また、この一戦の勝負どころは、立ち上がりになるだろう。試合開始直後からハイプレッシャーをかけてくる相手に対して、臆することなく対峙して主導権を握ることが肝になってくる。

■女子サッカーにとっての五輪の価値

ただ、なでしこジャパンが冷静に戦い、チャンスメイクを逃さなければ勝利は確実だろう。FW田中美南(INAC神戸レオネッサ)は「甘くはないというのはわかった上で準備をしてきた。自分たちが今まで積み重ねてきたことをしっかり試合で相手にぶつければ、必ず勝てると思っている」と胸を張る。

なでしこジャパンには2016年のリオデジャネイロ五輪のアジア最終予選を勝ち抜くことができなかった苦い経験がある。前年のカナダ女子W杯で準優勝したメンバーを擁しても逃してしまうほどの重圧とアジアの高い壁があった。結果、国内リーグの観客数が落ち込むなど日本女子サッカー界への影響もあった。池田監督も「オリンピックは国民の皆さんの関心が高い大会。女子サッカー発展のためにも、サッカーをやりたいという少女たちのためにも、2試合勝ってパリに向かいたい」と強く誓う。

気象庁のホームページによると決戦の地・ジッダの2月の平均気温は24度。キックオフは現地時間16:04(日本時間22:04)で、日没時間は18:25と夕日に照らされながらの試合となる。本来なら極寒の平壌でのゲームだったことを考えると真逆の環境だが、日本サッカー協会の佐々木則夫女子委員長は「この状況をポジティブに捉えたい」と笑顔をつくる。

開催地をめぐって直前まで振り回されてきたが、なでしこジャパンの選手たちには不思議と悲壮感はない。安定した結束力でパリ行きの切符を掴みに行く。そして、第2戦の28日、国立競技場のスタンドを埋め尽くして選手たちの後押しをしたい。

取材・文=砂坂美紀