Lovro Zvonarek NXGN GFXGOAL/fcbayern.com

ロブロ・ズボナレク:16歳で欧州トップリーグクラブの最年少主将に。バイエルン入りの17歳は次代のモドリッチになれるか

2022年ワールドカップ本戦に参加するクロアチアは、前回大会ファイナリストとして臨むことになるが、チームの様相はかなり変わるだろう。

イヴァン・ラキティッチ、マリオ・マンジュキッチ、ダニエル・スバシッチといった選手がチームを去った。ルカ・モドリッチ、イヴァン・ペリシッチ、マテオ・コバチッチらは残っているが、この国のサッカー界はさらなる世代交代を覚悟している。

近年はディナモ・ザグレブに注目が集まっている。クロアチアで最も成功を収めるこのクラブは、高名なアカデミーを通じて、クロアチアで最も才能ある若手選手を輩出する責任がある。

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チェルシーが狙うヨシュコ・バルディオル、ヨシプ・ブレカロ、ボルナ・ソサは確実にその要件に当てはまる選手だ。今後数年の間に代表チームに定着するだろう。だが、エリートになる可能性を秘めたクロアチア人選手を育てているのは今やディナモだけではない。

事実、クロアチアで現在実力を上げている最高のティーンエージャーといえば、スラヴェン・ベルポで台頭した攻撃的MFロブロ・ズボナレクだ。

2021年9月、バイエル・ミュンヘンがズボナレクと契約を結んだことを公表。ドイツ王者は2022年夏にこの選手を加入させるため、上限200万ユーロ(約2億8000万円)を支払うことで合意した。バイエルンは、トップチームで迎えた初めてのシーズンでのズボナレクの成長に感激することだろう。

スラヴェン・ベルポでは怪我人があまりいなかったにもかかわらず、ズボナレクはゾラン・ゼキッチ監督のチームに必要不可欠な選手になった。この17歳はまさに印象的だった。なんとシーズン最終盤にはキャプテンマークを渡されたのだ。

「面白がって渡したわけじゃない。彼がそれに値すると思ったんだ」

ゼキッチ監督は『GOAL』にそう語る。

「彼は著しい成長を遂げた」

「前キャプテンで35歳のゴラン・パラッキに話しかけた。『ロブロにとってちょうどいい時期だ。彼がキャプテンマークを巻くべきだ。それに値するだけの選手だから』とね。とても素晴らしいアイデアだと彼は答えてくれた。それで十分だった」

11歳から所属していたクラブをズボナレク自身に導かせようという決断は、記録を塗り替えるものだった。

このティーンエージャーは16歳351日で、欧州クラブのトップチームでキャプテンマークを巻いた最年少選手となったのだ。現在ブレントフォードに所属するDFクリストフェル・アイエルが、母国ノルウェーのIKスタルトで樹立した記録を塗り替えたのだ。

だが、ズボナレクが短いプロキャリアの中で新たな歴史を作ったのは、実は初めてのことではない。

2020-21シーズン最終戦、スラヴェンで2度目に出場した試合のことだ。クラブの残留がまだ確定していない中、ズボナレクはNKヴァラジュディンを相手に得点を挙げ、チームの1部リーグ残留を確定させた。

それは16歳の誕生日から2週間が経った頃のことだった。このゴールでズボナレクはリーグ最年少得点をマークした。こちらは元バルセロナMFアレン・ハリロヴィッチの記録を破っての新記録だ。

さらに昨季は20試合に出場して3得点を挙げており、5月8日に17歳になったばかりにも関わらず、再び降格を寸前のところで免れたクラブの中心選手であった。

22歳年上のトップスコアラー、イヴァン・クルスタノヴィッチとの連携は見事で、このティーンエージャーは置かれた状況に臆することなくプレーしていた。ズボナレクが成熟した精神力を持って高いレベルでプレーしていることは明らかだ。

それでは、ズボナレクの才能はいかほどだろうか? 身長は180cm。10番の選手にしては長身だが、フィジカルを活かして前に出て相手ディフェンスに挑むこともでき、パスレンジも優れている。ゼキッチ監督は評する。

「彼は10番として長くプレーしたが、どんなポジションでも問題なくプレーできる。中盤だけでなく、セカンドストライカーとしても起用したね」

「オフ・ザ・ボールの動きもとてもよいが、ボールを持っていても何をすべきか常に理解している。パスのタイミングは素晴らしく、常に縦に意識を持ってプレーできる」

「ロブロを表す言葉がなかなか見つからない。彼には才能があって、インテリジェンスも高い。非常にプロフェッショナルだし、全てのことに対する理解度が高いんだ」

見た目の印象は異なるものの、ズボナレクはモドリッチと比較されてきた。そしてズボナレクは控えめに言っても、レアル・マドリーのスターが過去10年間に渡って成し遂げたのと同じように、代表チームを率いる存在になると期待できる。

そうなるためには、ズボナレクはミュンヘンでも成長を維持しなければならないだろう。クラブ在籍初年度はドイツ4部に所属するバイエルンのリザーブチームでプレーするものと予想されているが、ゼキッチ監督は若きタレントの絶大なポテンシャルを信じている。

「彼は素晴らしいクラブを選んだ。おそらく今はまだトップチームには行けないかもしれないが、1、2年のうちに確実にそうなるだろうね」

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