トッテナムのアンジェ・ポステコグルー監督は、昨夏のFWハリー・ケイン退団を振り返った。
トッテナムで公式戦435試合に出場、280ゴールを奪うなど絶対的なエースに君臨していたケイン。何年も前から移籍が噂されていた中、開幕戦前日の昨年8月12日にバイエルン・ミュンヘンへの移籍が決定した。今季はブンデスリーガ制覇を逃したものの、新天地でもリーグ戦30試合で33ゴールと圧倒的な結果を残している。
そんな大エースの退団もあったトッテナムだが、今季から指揮を執るポステコグルー監督の下で一時首位に立つなど、序盤戦はリーグを牽引。その後は負傷者続出など苦しい時期もあったが、32試合消化時点で4位アストン・ヴィラ(2試合消化多)と6ポイント差の5位につけている。
エース退団の影響も感じさせない戦いを見せてきたトッテナムだが、ポステコグルー監督は当時焦りを感じていたようだ。アーセナル戦へ向けた会見で当時を振り返り、以下のように語った。
「それが我々にとって出発点のようなものだったと思う。私はブレントフォード戦の前日に文字通りここに座っていて、彼がちょうど退団したところだったからね。シーズンを始めようとしている中、おそらくこのクラブで最も重要な選手が最初の試合の前日に去っていったんだ」
「本当に意識して努力したことを覚えているよ……年老いたアヒルは水面上では優雅に見えるかもしれないが、パニックが起きていれば誰にも見えない、特に選手には見えない水中にいるものなんだ」
また、「選手たちがまぶたを閉じることはなかった。特に今季ハリーが成し遂げていることを見ると、信じられないようなことだよ。『へー、ここを去った重要な選手だったんだ』と思う人もいるかもしれない。だが、もし我々がゴールを奪えていなかったら、もっと注目されていたはずだ」とエース退団後の選手たちの奮起を称えている。