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2018-10-17-shoya-nakajima

南野、堂安、中島。輝いた新世代とロシア組との絶妙な“化学反応”の理由

■長友の盟友、ベシーノとムスレラの言葉

インテル(イタリア)でチームメイトだったマティアス・ベシーノと、ガラタサライ(トルコ)の同僚であるフェルナンド・ムスレラは試合後、驚きを隠さなかったという。

凄いじゃないか。日本はこんなに強いのか――。

そのときの様子を、長友佑都が誇らしげに振り返る。

以下に続く

「彼らはお世辞ではなく、本気の目で言っていたので。レベルの高いところでやっている選手にそう言われるっていうことは、日本サッカーはそのまま進化していけるんじゃないかと。すごく楽しみで仕方がないです」

長友の抱く感覚を言葉にすると、こんな感じだろうか。

ワールドクラスへと続くハイウェイの入り口に、日本代表は立った――。

敵将のオスカル・タバレスが「親善試合とワールドカップを比較するのは意味をなさない」と語ったように、ウルグアイがベストな状態だったわけではない。しかし、だからといって、新生・日本代表の勝利が色褪せることもない。4日前に韓国に敗れている彼らがプライドを懸けて日本戦に臨んできたからだ。それは、韓国戦に続いてレギュラーメンバーをピッチに送り込んできたことからも伺える。

もっとも、勝利もさることながら、軽い衝撃を覚えたのは、選手たちの堂々としたプレーぶりだ。

「ポルトガルでも、ポルトやスポルティング、ベンフィカとやっていますし、あまり複雑には考えずに、サッカーなので楽しんでいこうと思っていました」と中島翔哉(ポルティモネンセ)がさらりと言えば、オランダリーグで屈強なDFと日常的にバチバチやり合っている堂安律(フローニンゲン)も、当たり前のように言った。

「ファーストプレーで右のお尻あたりで相手をブロックしてキープできる感覚があったので、ちょっと豪快にでもカットインして、無理そうなところでも行こうと思っていた。後半いい形を作れました」

実際、中島はかつてユヴェントスでプレーしていたマルティン・カセレス(ラツィオ)を手球に取っていたし、堂安もゴール前にぐいぐいと切れ込んでいった。そこに、ウルグアイに対する過度なリスペクトや、名前負けの印象はかけらもなかった。むろん、2ゴールを奪った南野拓実(ザルツブルク)からも。

■忘れてはならない黒子の存在

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「あそこまで堂々とできるのは、ある意味ちょっとメンタル的な芸術ですよね。気持ちいいし、面白いですよ」

中島や堂安について、長友は称賛したが、“メンタルモンスター”として名高い長友をして、こう言わしめたのだ。彼らがいかにポルトガルやオランダで日々、自信を膨らませているかが分かる。

ただし、忘れてはならないのは、黒子に徹した長友や酒井宏樹(マルセイユ)の働きだろう。

中島が、堂安がいつでもボールを預けられるようにサポートし、守備に奔走しないで済むようにカウンターのケアに気を配り、カットインしてシュートまで持ち込めるように、大外を何度も駆け上がった。堂安のゴールをアシストしたのも酒井で、「宏樹くんが合わせてくれるので、俺は好きにやれました」と本人も感謝を惜しまない。

世界的なセンターバックであるディエゴ・ゴディン(アトレティコ・マドリー)にマークされながらもボールをキープし、2列目の若者たちがゴール前になだれ込む時間とスペースを創出した大迫勇也(ブレーメン)も含め、経験のあるロシア・ワールドカップの主力組が、前から、後ろから、まるで包み込むようにサポートしていたからこそ、若者たちがウルグアイ相手にのびのびと、イキイキとプレーできたとも言えるのだ。そこに、森保一監督の狙った融合の成果、化学反応が見て取れた。

「ザッケローニさん時代の最初の頃のような勢いが、今の日本代表にはあるんじゃないかと思う」

長友はそう語った。あの頃もまた、2010年南アフリカ・ワールドカップで手にした成功体験と、各々が海外のリーグで掴んだ自信が掛け合わさって、日本代表は一気にアジアの頂点へと駆け上がった。

ベテランと若手の融合に一定の成果を得た森保ジャパンも、新しいステージの扉を開いたように思う。

取材・文=飯尾篤史

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