26日のラ・リーガ第7節、アトレティコ・マドリーは敵地バライドスでのセルタ戦を1-0で制した。
3日にレアル・マドリー(彼らはすでに2日前に第7節を消化)とのダービーを控えるアトレティコが乗り込んだのはバライドス。セルタは同スタジアムでヒラルデス監督就任から8試合(6勝2分け)無敗を貫いている。
シメオネ監督はダービー目前でも完全なローテーションを行わず、GKオブラク、DFモリーナ、ル・ノルマン、ヒメネス、レイニルド、MFマルコス・ジョレンテ、コケ、ギャラガー、ジュリアーノ(初先発)、FWスルロット、グリーズマンをスタメンで起用した。
前半はほとんどチャンスが生まれない、いわゆる“塩試合”と呼ばれるような展開に。アトレティコは相変わらず攻撃がほとんど機能しない。中盤のマルコス・ジョレンテ、コケ、ギャラガーはビルドアップで分かり合えず、グリーズマンは潤滑油になり切れず、スルロットはほぼポストプレーを行わず……と、いいところはほぼなし。対するセルタは、42分に両チーム合わせて前半唯一の決定機を迎えた。ボルハ・イグレシアスのポストプレーから、ペナルティーエリア手前のイアゴ・アスパスが左足でシュートを放ったが、枠内右隅に飛んだグラウンダーのボールはオブラクの超絶的な横っ飛びセーブに阻まれている。
スコアレスで迎えた後半、シメオネ監督は54分にコケとの交代でフリアン・アルバレスを投入。直後の57分にはゴールに限りなく近い位置からボルハ・イグレシアスにヘディングシュートを許したが、再びオブラクの超反応で失点を回避している。
シメオネ監督はさらに64分、ジュリアーノ&スルロットを下げてリケルメ&デ・ポールを入れる。アトレティコはその後、セルタの疲労とギャラガーの圧倒的なプレッシング&ボール奪取能力から徐々に攻勢を仕掛け始めるが、詰めの場面でのアイデアとプレー精度を欠き続けることに。しかし、ギャラガーを中心とした最後まであきらめない意思が、試合終了間際に決勝ゴールを呼び寄せた。
90分、右サイドのグリーズマンの超精度の左足クロスをペナルティーエリア内に送る。まるで“スペースに置く”ようなこのクロスの落下地点に勢いよく飛び込んできたのは、J・アルバレス! アルゼンチン代表FWは右足裏を使って枠内にボールを押し込み、今季ラ・リーガ2得点目を決めた。
アトレティコはこの1点を最後まで守り切り、要塞と化していたバライドスから勝ち点3を持ち帰ることに成功(ラ・リーガ第7節までの成績は4勝3分けに)。まだ攻撃面の連係が確立されていないことと体力的な消耗と不安要素ではあるが、ここまで存在感のなかったJ・アルバレスの活躍を含めて、少なくとも精神的にはダービーに向けて勢いをつけている。