26日のラ・リーガ最終節、バルセロナは敵地サンチェス・ピスフアンでのセビージャ戦に2-1で勝利した。チャビ・エルナンデス監督は試合後、自身の解任の理由について「クラブの決断」とだけ答えている。
24日に、1カ月前には自身を引き留めたジョアン・ラポルタ会長から解任を言い渡されたチャビ監督。バルセロナ指揮官としてのラストマッチとなったこのセビージャ戦では、FWロベルト・レヴァンドフスキ、MFフェルミン・ロペスがゴールを決めて白星を飾っている。
試合後、スペイン『DAZN』とのインタビューに応じたチャビ監督は、解任によって解放された感覚があるかを問われて、次のように返答している。
「解放はされていないよ。私たちは続けたかったんだ。これはクラブの決断で、自分たちには受け入れる以外の選択肢がない。ただ、ここで終わりだとは思っていなかった。矛盾した感覚があるよ。私たちはタイトルこそ獲得できなかったが、良い方向に進んでいると考えていた。しかし、フットボールではこういったことが起こるものなんだよ」
「解任の理由をどう説明されたか? 理由についての説明責任は私にはない。決断を下した人が言うべきだろう。私はそれを受け入れるだけだ。すでに決断は下されたわけだし、もう前を向かなくてはならない。クラブはどんな人間よりも上にある存在なのだから」
「重要なのは理由ではない。決断はすでに下されているんだ。重要なのはバルサがうまくいくことであり、そして私はバルサが必要とするときのために用意をしているよ」
チャビ監督はまた、自身が今季トップチームに引き上げ、ラ・リーガで8得点を決めるなど活躍を見せたフェルミンについても言及している。
「彼はバルセロナのマップに載っていない選手だった。私たちはレンタルされる彼をトップチームに引き入れたんだよ。ほぼ誰も知らない彼のことをね」
「私たちは彼のことを気に入っていた。勇敢で、チームに貢献できると感じていたんだ。全体的に選手たちとの関係は素晴らしかったし、とても満足しているよ」
フェルミンは27日に発表されるEUR2024に臨むスペイン代表メンバーに含まれる可能性が噂されている。
「彼は人間的に素晴らしく、プロフェッショナルで、野心を持っている。私にとっては宝のような存在だ。自分ならば迷いはないが、決断を下すのは代表監督だよ」
チャビ監督は若手の積極登用やスペイン・スーパーカップ&ラ・リーガ優勝など、財政難にあるバルセロナで自身が実現してきたことに胸を張っている。
「バルサの新しい世代は素晴らしい。クバルシ、ラミン、エクトール・フォント……。しかし残されるレガシーがあるとすれば、それは選手たちの愛情にほかならない。私たちの目標は彼らを助けることだった。そして私たちは苦しながらも、2つのタイトルを獲得したんだ」
「解任の決断はこちらでコントロールできることではなく、ただ受け入れるしかない。今のバルサは難しい状況にある。その中で私たちはファンに期待を与え、彼らを楽しませることができたんだよ」
チャビ監督は一方で、自身とそのコーチングスタッフが失敗も数多く経験してきたことを認めている。
「私たちは多くのミスを犯した。反省はしなくてはいけない。私たちは完璧ではないし、そうなろうともしていないよ。私たちは名誉や誇りを感じているが、とりわけ今季は多くの過ちを犯してしまった。この経験を大きな学びにしなくてはならない」
バルセロナの次期監督はハンジ・フリック氏となることが濃厚だが、アドバイスすることがあるかを問われたチャビ監督は次のように返答している。
「次の監督に伝えたいことがあるか? ここの状況は難しいということだね。バルサの財政状況は逆境にあるんだ」
「クラブ外の人物の招聘が良いことか悪いことかは分からない。外部や内部に関係なく、大切なのは勝利を収めることだろう。ただ私は監督として大きな期待を生み出してしまい、虫眼鏡で見られることになった。バルサの歴史の中でも最高の選手の一人であったことが、仇となってしまったんだよ」