マインツのMF佐野海舟は現地での評価が高まっているようだ。ドイツ誌『キッカー』も「パフォーマンスはますます向上している」と伝えた。
佐野は今夏に鹿島アントラーズからの完全移籍でマインツに加入。『キッカー』のマインツ番記者は「背番号6は唯一レギュラーに定着した新加入選手で、ピッチに立たなかったブンデスリーガ戦の時間は18分間のみ」とフィリップ・ムウェネに次ぐフィールドプレーヤーではチーム2位の出場時間を記録していることを指摘した上で、「パフォーマンスはここに来てますます向上している」と最近のプレーを高く評価した。
特にマインツが3-1で勝利した先日のブンデスリーガ第10節ボルシア・ドルトムント戦での佐野のプレーが印象的だった模様。記事では「守備的MFはパスでチーム1点目と3点目の起点をつくり出し、86.3%のパス成功率を記録した。それまでのリーグ戦では78.0%の記録だった。佐野は走行において(合計)113.68kmとチーム1位、リーグ全選手の中でも7位にランクインしている」といったスタッツも紹介されている。
記者はまた、ボー・ヘンリクセン監督が加入して間もなく新天地デビューを果たした佐野について「とんでもないマシーンだ」と発していたことを改めて紹介。同選手は「性的問題の捜査が打ち切りとなってからしか出国できなかったため、(プレシーズンの)トレーニングに出遅れた」にもかかわらず、合流2週間後の8月16日に行われたDFBポカール1回戦のヴェーエン・ヴィースバーデン戦(マインツが延長戦の末に3-1で勝利)にフル出場したことも指摘した。
マインツは今夏にベンフィカに移籍したルクセンブルク代表MFレアンドロ・バリエロの後釜として佐野を獲得。記者は「昨季は度々バイタルに抜け出した」バリエロとは違って佐野は「大抵ポジションをキープする」タイプと見る模様。一方で、本人はドルトムント戦後、「裏へのスプリントに関してはもっとアクセントをつけなければいけないと思います」と語ったことや「最初はまだもう少し時間がかかるのかなという感覚でしたが、徐々に改善し、より良いプレーをできるようになりました」と手応えを感じていることを伝えている。
なお、記者は佐野は代表でのキャリアにおいては現在「待機モードにいる」とも表現。「代表招集の可能性を高めるためでもある初の海外移籍だが、まだ代表チームへの再招集という形では報われていない」という言葉で記事を締めくくっている。