長きにわたって世界の頂に立つユヴェントスのポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドだが、その才能はプロデビューを果たす前から突出したものであったようだ。スポルティング・リスボンで同選手をトップチームに引き上げたラースロー・ベレニ氏が、当時のことを回想している。
2001~03年にスポルティングの監督を務めていたベレニ氏は、2002年8月のチャンピオンズリーグ予選インテル戦で、当時17歳だったC・ロナウドをトップチームデビューさせた。スペイン『マルカ』とのインタビューに応じた同氏は、C・ロナウドの才能が当時から際立っており、若くしてデビューさせることをためらわなかったと振り返る。
「ユースの選手たちを見に行き、彼にトップチームに来るよう言ったんだ。良質なフィジカルを有していたからね。彼はとても速く、テクニックも素晴らしかった」
「(トップチームで)彼のアクションを確認し、もう下部組織に戻さないと決めたよ。彼は若くも成熟していた。ロッカールームでは冗談好きだったが、ピッチ上では並外れていた。16~17歳であれだけ成熟しているというのは、普通のことではない」
ベレニ氏はC・ロナウドをトップチームに引き上げ、プレーポジションも変更させた。
「ユースでは9番としてプレーしていたが、私は右ウィングとして起用することを決めた。彼はまだ若く、60キロちょっと軽かった。100キロのセンターバックを背負いながらプレーするのは骨が折れることだったし、あのスピードとファンタスティックなドリブル突破をより効果的に使えると思ったんだ」
「自分が下した決断には満足していたが、最初は難しくもあったよ。彼にとって最も大切であったのは、ドリブルで抜くことだったからだ。彼はドリブルなしでプレーできなかった。だから私は『DFを1人、または2人かわすのは大切だが……5人はあまりにも多い!』と言ってやらなければいけなかった。彼にそのドリブル突破がどこまで有用なものなのかを説明しなければならなかったし、彼は少しずつ、その賢明さから自分の道を探し当てていった」
ベレニ氏は、C・ロナウドがポルトガル史上最高の選手になることを確信していたという。
「私にとっては驚きでも何でもない。史上最高の選手の一人になるところまでは分からなかったが、負傷さえなければ、とても良い選手になることは知っていた。あの頃、あるインタビューでクリスティアーノについて問われた私は、彼がフィーゴ、さらにはエウセビオすら超えると言ったんだ。あの発言は大きな騒動となった。ポルトガルで彼らは神として扱われていたし、1人の若者をそんな2人の神と比較してしまったのだからね……。しかしロナウドは、それが正しかったことを証明してくれた」
そしてC・ロナウドとFWリオネル・メッシのどちらが世界最高の選手かという議論については、次のような見解を述べている。
「どちらが最高か? 私は客観的になれない。ロナウドはずっと私の子供なのだから。彼はスポルティングで私とともにキャリアをスタートさせたんだ。いずれにしろ10~15年間にわたって、互いを上回ろうとする二つの金字塔を楽しめるというのは幸運だ。クライフは最高の存在になるのは重要だが、より重要なのは頂点に立ち続けることだと言っていたね」
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