ここまで激闘が繰り広げられてきたUEFAチャンピオンズリーグ(CL)だが、ついにベスト4が出そろった。
現地時間19日、ユヴェントス(イタリア)はバルセロナ(スペイン)相手に無失点の見事な試合運びを見せた。一方でモナコ(フランス)は若手選手たちの得点でボルシア・ドルトムント(ドイツ)を下している。
そしてマドリーの2大クラブ、レアル・マドリーとアトレティコ・マドリー(ともにスペイン)を加えた4クラブが、16-17シーズンのチャンピオンズリーグ準決勝へと駒を進めた。
ユヴェントスのイタリア代表DFレオナルド・ボヌッチはカンプ・ノウで勝ち上がりを決めた後、自分たちが最大の相手を克服したと誇らしげに語った。
「僕たちにとって成功への大きな一歩となった。いまやどのチームもユヴェントスと当たることを怖れているはずだ」
だが貴婦人(ユヴェントスの愛称)は本当に全てのクラブが怖れる存在なのだろうか? FWキリアン・ムバッペを中心とするモナコ攻撃陣は常に相手守備陣を恐怖のどん底に突き落としてきた。またマドリーとアトレティコは紛れもない強豪クラブであり、この同都市のライバルは過去3年のCLで実に2回も決勝で顔を合わせているなど、欧州の舞台で実績を残している。どこと当たってもタフな試合となることは間違いないが、4クラブは実のところ次の対戦相手についてどう考えているのか。現地時間21日にニヨン(スイス)で行われる準決勝組み合わせ抽選に先立ち、各クラブの担当者が見解を示した。
■アトレティコ・マドリー
Getty Images4シーズンで3度目の決勝進出を果たすべく、3クラブのどこと当たろうとアトレティコに怖れはない。彼らはヨーロッパのどのクラブも対戦を怖れる存在だ。ディエゴ・シメオネのチームはどんな難題が待ち受けようとも立ち向かっていくことだろう。
しかし、もし彼らが準決勝で回避したいチームを選ぶとすれば、レアル・マドリー一択になるだろう。アトレティコは国内の試合ではこの数シーズン、同都市のライバルに勝ち越している。敵地サンティアゴ・ベルナベウで行われた2014年のコパ・デル・レイ決勝で勝利したほか、ラ・リーガでも過去8回のマドリード・ダービーで7勝を挙げているのだ。
だが、欧州に舞台を移すと彼らはまだ白い巨人に勝利したことがない。13-14シーズン、15-16シーズンはいずれも決勝で敗れ、14-15シーズンは準々決勝で1分け1敗に終わっている。彼らは間違いなく、今年もまたマドリーと戦うことになるのではないかと懸念しているはずだ。
A・マドリー担当記者:ベン・ヘイワード
■ユヴェントス
Getty Images14-15シーズンの決勝戦は、バルセロナ対ユヴェントスというカードで行われた。同じ組み合わせとなった今年のラウンド8を克服した今、ユーヴェが怖れる相手はいない。貴婦人は、21年という長い年月を経て「ついにヨーロッパの頂点に返り咲く時が来た」と信じている。
マドリーは現王者で手強い相手だ。しかし、今のユーヴェであれば自信を持って戦いに臨めるだろう。前回対戦した時に比べ、マドリーの守備は明らかに弱体化しているからだ。ユヴェントスはむしろモナコを警戒している。
レオナルド・ジャルディム率いる若くエキサイティングなチームは失うものがない。キャプテンのGKジャンルイジ・ブッフォンは準々決勝のドローの際に、モナコのこうした恐れを知らないメンタルが、対戦相手としては危険なものだと指摘していた。
ユヴェントス担当記者:ロメオ・アグレスティ
■モナコ
モナコは今シーズン、ヨーロッパで道を切り拓いてきた。ラウンド16ではマンチェスター・シティを、ラウンド8ではドルトムントを撃破したことは記憶に新しい。その姿に世界中が魅了され、また彼ら自身もこの旅を純粋に楽しんでいる。21日に行われる準決勝のドローがどうなろうとも彼らが思い悩むことはないだろう。何よりここまで来たことを喜んでいるし、準備もできている。誰が相手でも十分渡り合えるだろう。
しかし、レオナルド・ジャルディムはユヴェントスとはなるべく当たりたくないと考えているに違いない。ユーヴェはベスト4の中で最もバランスの取れたチームだ。イタリア王者が誇る印象的な攻撃陣は素晴らしい守備陣のサポートによって支えられている。加えて彼らは様々な戦術でプレーできる。柔軟性のないマドリーの両クラブに彼らのようなプレーができるとは考えにくい。
モナコ担当記者:ロビン・バイルナー
■レアル・マドリー
Getty 11度のCL優勝を誇るレアル・マドリーは、ここ3年間で2度とも、アトレティコを下してビッグイヤーを獲得している。しかし再びヨーロッパでのマドリー・ダービーが実現することは、現王者にとって回避したいところだろう。レアル・マドリーは恐ろしく頑強な隣人に、いつもタフな戦いを強いられてきた。サンティアゴ・ベルナベウに迎え入れて行われたラ・リーガでのダービーは最近4試合未勝利が続いている。そんな相手とホーム&アウェーで2試合戦うことは、マドリーにとっては何とか避けたい事態と言える。
R・マドリー担当記者:アルベルト・ピニェーロ
以上のとおり、マドリー勢はお互いを、そしてユヴェントスとモナコもお互いを警戒しているという見方になった。準決勝の組み合わせ抽選は日本時間21日の夜に行われる。それぞれの思惑がある中、果たしてどのようなドローになるのだろうか。注目することにしよう。
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