ナポリはチャンピオンズリーグでアヤックスとの2試合で6-1、4-2と連勝。特に敵地での6ゴールはヨーロッパ中に衝撃を与えた。
ナポリでもプレーした元オランダ代表MFルート・クロル氏は『ガゼッタ・デッロ・スポルト』で「今、ヨーロッパでナポリより良いサッカーをしているチームはない」と主張した。マルコ・ファン・バステンは「大虐殺」と呼び、ピオトル・ジエリンスキは「魔法のよう」と言い、会長のアウレリオ・デ・ラウレンティスは「素晴らしいチーム」による「宇宙的ディスプレイ」と称えた。どのチームに忠誠を誓うにせよ、この試合は見る者を圧倒するものだった。
それはファビオ・カペッロでさえ同じだ。伝説のイタリア人監督は、セリエAクラブとヨーロッパのエリートたちとの間の格の違いに幻滅して久しいが、目撃したものに衝撃を受けていた。
「ナポリはヨハン・クライフ・アリーナでサッカーのレッスンをしたんだ。オランダ人へのレッスンだ!彼らは我々にプレーの仕方を教えてくれたんだ!」
アヤックスのソーシャルメディアチームは試合前、クライフと同じくサッカー界の象徴であるディエゴ・マラドーナが、チャンピオンズリーグを観戦するために一緒にバスに座っている画像を投稿し、話題を集めていた。
しかし、母国の名門が大敗するという衝撃的な結果を受け、オランダ『テレグラフ』は「アムステルダムでのナポリの華々しいプレーは確かにマラドーナを魅了しただろうが、ヨーロッパの笑いものとなったアヤックスのパフォーマンスに、クライフは間違いなく心を痛めていただろう」とまとめている。
Getty/GOALセリエAでは9試合で22得点、チャンピオンズリーグでも4試合で17得点を記録し、いずれも圧倒的なトップだ。この数字を見れば、スパレッティのチームが突然、ヨーロッパの人気者になり、流行に敏感なサッカーファンの新しいお気に入りになったのも不思議ではないだろう。
元来、スパレッティのチームが素晴らしいフットボールを展開することに疑いの余地はない。ローマではストライカーを置かないシステム(0トップ)を採用し、フランチェスコ・トッティをゴールスコアラーに育て上げ、サー・アレックス・ファーガソンにさえインスピレーションを与えていたのだから。
しかし、メジャータイトルを獲得する能力があるのか、という疑問は残る。ゼニトでロシア・プレミアリーグを2度制覇したことはあるが、スクデットを獲得したことは一度もない。
それに彼らは開幕直後のロケットスタートにも慣れている。今季はセリエA開幕9試合で7勝2分けというスタートを切ったが、昨季も9試合を終えた時点での勝ち点は同じ。初黒星を喫したのは第13節のことだったが、最終的には3位でシーズンを終えている。
しかし、今回の違いは、選手層の厚さかもしれない。
例えば、リヴァプール戦でセンターフォワードのヴィクター・オシムヘンを失ったことはナポリにとって大きな痛手になるように見えたが、実際はそうならなかった。夏に加入したジャコモ・ラスパドーリとジョバンニ・シメオネが火を絶やすことなく、ナイジェリア人FW抜きで7試合に勝利している。
Getty/GOALもちろん、相手のサイドバックにとって最悪の悪夢であるフヴィチャ・クヴァラツヘリアがいることは救いである。ディナモ・バトゥミから1000万ユーロで獲得したこの選手は、すでに「最優秀新戦力」を受賞し、シーズン終了後にはさらに多くの称賛を浴びることだろう。
中盤では、アンドレ=ザンボ・アンギサがジエリンスキやスタニスラフ・ロボツカとともに活躍し、今シーズンは全く別次元のプレーを披露している。トッテナムからレンタル移籍してきたタンギ・エンドンベレも、かつてリヨンで発揮した可能性の片鱗を見せ始めている。
しかし、ナポリにとって重要なのは、間違いなくディフェンスである。クリバリの代役を見つけることは不可能とされていたが、すんなりとキム・ミンジェがはまった。インテルのレジェンドであるジュゼッペ・ベルゴミは、特定の分野では韓国代表DFがセネガル代表DFよりも優れているとさえ考えている。
もちろんスパレッティは、このような目まぐるしい話から自分自身と選手たちを遠ざけるために最大限の努力を払っている。まだ先は長いし、今季はワールドカップもあり、かつてないほど過密なスケジュールになっている。
ナポリとスパレッティはこの難局を乗り切れるのか?これから数週間、数ヶ月、彼らのチームと気質は限界まで追い込まれることになる。しかし、クヴァラツヘリアは「このチームに限界はない」と話し、ラスパドーリもまたさらなる成長を予感させる。
「このチームは素晴らしい選手ばかり。この調子でいけば、みんなが思っているよりも上を目指せるはずだ」
指揮官は「マラドーナだって我々を誇りに思うはず」とチームを誇る。現在、ヨーロッパで最高のサッカーを展開するチームを見逃さない手はないのだ。