日本代表を率いる森保一監督が、長谷部誠氏のコーチ入りを直々に求めていたことを明かした。
日本サッカー協会(JFA)は29日、2026年ワールドカップ(W杯)アジア最終予選に臨む代表メンバーを発表。伊東純也の復帰やパリ五輪代表DF高井幸大の初招集など、トピックの豊富な選手選考となった。
また、元日本代表主将であり、昨季終了後にフランクフルトで現役を引退した長谷部氏が今回からコーチ入り。指導者として本格的に歩み始めたばかりの同氏だが、森保監督はレジェンドのコーチ就任を直談判していたことを明かしている。
「長谷部コーチの就任に関しては、私が協会の方々と話しました。これから我々がアジアで確実に勝っていく、世界一を目指して戦っていく中で、現状のスタッフでも確実に前進していけると考えていますが、長谷部コーチが持っているヨーロッパでの経験は間違いなくこれから我々が前進していくうえで色んな刺激にもなり、より必要だということで、スタッフとも話し合って決めました」
2008年から2024年までブンデスリーガでプレーした稀有な長谷部氏のキャリアから、世界基準の価値観をもたらしてほしいと考えているようだ。
「現状のコーチングスタッフ、海外で選手経験のある名波(浩)コーチもいますけど、実際は国内に居ながら、多くの代表選手が活動しているヨーロッパでの活動は選手から情報をもらって、我々も現地にお伺いしながら世界の情報をインプットする、そして世界の価値観、日本の価値観をミックスして、日本らしく、日本代表として最大限に力を発揮できるようにアウトプットしていくということをやっております。長谷部コーチのこれまでの経験が、またそこに大きく貢献してくれると思っています」
一方で指導者としての経験が浅い点はあるが、「コーチ経験としては始まったばかりですので、足りないところはあるかもしれませんが、逆に指導者として学ぶ前に選手側からどう感じるか、選手として選手にどう働きかけるか。より選手目線で色々と伝えられるという大きな武器を持っているので、一緒に仕事をさせていただくことにしました」と、他のコーチ陣とは違った視点での後押しに期待した。
なお、長谷部氏のコーチとしての活動期間について、JFAの山本昌邦ナショナルチームダイレクターは「最終予選はもちろん、2026年北米ワールドカップもしっかりと視野に入れて考えております」と説明している。