今夏、日本代表GK鈴木彩艶が加入した昇格組のパルマについて、イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』が19日、特集記事で注目した。
かつてアビスパ福岡を率いたファビオ・ペッキアの下、若手主体のチームで昨シーズンのセリエBを制したパルマ。セリエAへと昇格した今シーズンもチームの大半を維持して継続路線を選択し、今夏の補強はシント=トロイデンから加わったGK鈴木ら4名にとどまった。
そんな中、イタリア紙は「スズキから(アンジュ)ボニーまで…ペッキアは恐るべき若手たちを楽しんでいる」と綴り、米国人実業家のカイル・クラウス会長のプロジェクトにスポットライトを当てた。パルマは17日に行われたセリエA開幕節において、昨シーズンにカンファレンスリーグで準優勝したフィオレンティーナを相手に勝利まであと一歩に迫る好パフォーマンスを見せたが、同紙はパルマがこの試合で「2000年以降に生まれた選手を7人先発起用」しており、「クラウスの“若手プロジェクト”が機能している」と称えた。
クラウス会長は「技術的な問題には立ち入らない」が、「選手の移籍金や年俸、それから特に年齢を知りたがる」会長で、「もし2000年以前の生まれなら、口をへの字に曲げる」ほど、若手をターゲットとすることにこだわりがあるとみられる。
パルマのプロジェクトには「熱狂があり、自らの才能を示して、走れる若手のチーム」という「明確なアイディア」があると指摘。「この哲学でセリエA昇格を勝ち取った」が、イタリア最高峰のリーグで戦うにあたっても「会長の考えは変わっていない」と強調した。
パルマ会長は、クラブを「日々カルチョをして成長する若手のアカデミーにすることを望んでいる」が、ペッキア監督も「このビジョンを完全に支持」し、フィオレンティーナ戦では2002年生まれの鈴木のほか、2003年生まれのボニーら7人もの2000年以降生まれの選手を先発させていたことを振り返った。さらに1995年生まれのナウエル・エステベスが最年長であり、デニス・マンら残る3人も1998~1999年生まれと若く、「30歳以上は誰もいない」と指摘した。
「その結果、パルマは観衆を楽しませた」と同紙は主張。「クラウス会長が4年前にクラブを買収した際に描いた若手プロジェクトが実り始めている」と結論付けた。