国際サッカー連盟(FIFA)のゼップ・ブラッター元会長は、カタールにワールドカップの開催権を与えたことが誤りだったと認めた。
中東で初めての開催となるカタール・ワールドカップ。20日の開幕まで2週間を切った同大会だが、さまざまな問題に揺れる。大会招致をめぐるプロセスや同国の移民労働者や性的マイノリティへの人権問題、異例となるヨーロッパシーズン中の冬季開催など2010年の開催地決定当初から疑問や批判の声が上がり続けている。
2018年のロシアとともに2022年にカタールでワールドカップが開催されることが決まった2010年にFIFAの会長を務めていたブラッター氏は、スイス『Tages-Anzeiger』でこの度の大会について口を開いた。
「カタールの選択は間違いだった。当時、私たちは執行委員会の中で2018年にロシアで、そして2022年にアメリカでワールドカップを行うことで合意していた。2つの長期的な政敵が続けてワールドカップのホストを務めることは平和を表すものになっていただろう。フットボールとワールドカップはこの小さすぎる国にとってとても大きすぎるものだ」
「カタールに開催権を与えたことは間違いだったと繰り返すことしかできない。当時、会長として私にはこの責任があった。今、ワールドカップが目前に迫っている。一部の例外を除いて、フットボーラーがワールドカップをボイコットしていないことに私は安堵している」
「私にとって、カタールが間違いであると言うことは明白だ。選択は悪いものだった。それに、私は新たなFIFA会長(ジャンニ・インファンティーノ)がなぜカタールに住んでいるのか不思議に思っている。彼は現地のワールドカップ組織の長にはなれない。それは彼の仕事ではない」