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シント=トロイデンではなぜ成長できる? 伊藤涼太郎が明かす「日本人で和気あいあい」ではない切磋琢磨/インタビュー

 2022シーズンにアルビレックス新潟でJ2優勝&J1昇格の立役者の一人となり、2023年夏に初の海外移籍でシント=トロイデンへ。2024年1月には「TOYO TIRES CUP 2024」のタイ代表戦(5〇0)で日本代表デビューも果たした伊藤涼太郎。激動の1年半を過ごしたチャンスメーカーが、ここまでの手応えと課題、代表への思いを語った。【聞き手:上村迪助(GOAL編集部)/取材協力=アシックス】

■ラストパスは「自分が1番上手い」

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――1シーズンベルギーで戦ってみての率直な感想をお願いします。

 まず、1年間終わってみて、試合にコンスタントに出ていたことはすごく良かったと思いますし、この1年ですごく成長したと感じました。

――公式戦37試合7得点4アシストという結果はいかがですか?

 まだまだ足りません。後半戦で6得点しましたけど、前半戦に関しては1得点しか取れていないので、そこがまず課題です。得点数に関しても、自分が目標に掲げていた15得点というところには程遠い結果になってしまったので、悔しさが残るシーズンでした。

――1年半前にJ2からJ1、そして去年夏に海外へ渡りました。激動の期間に感じたことはありますか?

 まず(アルビレックス新潟で)J2に行った時からJ1に上がった時にも、やはりプレーの強度やクオリティにかなり差はあったので、そこにもすごく驚きました。ベルギーに行ってからは、なおさら技術はJリーグの方が高いと僕としては思いました。けど、やはり圧倒的なスピードだったり、決定力だったり、体の強さというところは間違いなくベルギーリーグの方が高いので、 今まで自分が弱点としていた守備や走るところは、かなり強化されているかなと思っています。

――シーズン終盤には途中起用が増えましたが、結果を残していました。その点について悔しさはありましたか?

 もちろんありました。そっちの方がと言うのはあれですけど、より燃えるというか。スタメンの時も燃えますけど、自分がスタメン組から外れた時は、結果で見返すしかないし、結果で自分の実力を証明するしかないという気持ちがより強くなります。スタメンで出ようがベンチから出ようが、結果を残せたかなと思います。

――一方でベルギーでもテクニックが光っていました。逆に自信を深めた部分はありますか?

 ボールを持った時のラストパスなどは、海外に来てもやはり絶対負けないというか、自分が1番上手いなと感じました。そこは監督(2023-24シーズンはトルステン・フィンク氏が指揮)やチームメイトもすごく評価してくれました。

――そのプレーを支えるスパイクについて、現在「DS LIGHT X-FLY 5」を履かれていますが、どのような点がお気に入りですか?

 気に入っているポイントは履きやすさ、フィット感です。このフォルム、見た目というか、このスタイリッシュな感じも僕はすごく好きですね。

――デザインで特に印象的な部分はありますか?

 デザインもすごく派手ですけど、僕はこの白ベースな感じがとても好きです。 履いている時の自分の見え方も、やはり白ベースの方が好きなので。今回もすごく好きなデザインになっているかなと思います。

■レジェンド・岡崎慎司によるサポート

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――初の海外移籍で、ピッチ外で苦労したことはありますか?

 (苦労は)全然しませんでした。海外に行ってからも、私生活では『早く日本に帰りたいな』とかはまったくありませんでした。本当に海外の生活を楽しんでいましたね。

――日本人の同僚の存在は助けになりましたか?

 僕が移籍した当時にいた橋岡選手(橋岡大樹/現ルートン・タウンFC)などにはかなり助けてもらいましたね。

――橋岡大樹選手もですが、遠藤航選手や冨安健洋選手などがシントトロイデンから羽ばたきました。成長を後押ししてくれるような要素は感じますか?

 日本人選手が多い分、日本人で和気あいあいとやるというよりも、逆に出ている選手、出ていない選手がはっきりと分かれている中で、そこでの競争があったり、同じ日本人選手が結果を出したりすると、 やはり『負けたくない。自分ももっと頑張らないと』という思いが強くなります。そういった意味では、毎年そうだと思いますが、僕が来てからのシント=トロイデンも、みんなが競争心を持ってできていたのではないかと思います。

――大ベテランの岡崎慎司さん(2024年夏に現役引退)からもアドバイスを受けることはあったのでしょうか?

 サッカーのアドバイスもかなり貰えましたし、 オカさん(岡崎慎司)は『どの歳でもサッカー上手くなる』と本気で思っていたので、そういう姿勢は見習わないといけないですし、やっぱりかっこいいですよね。僕は小さい頃から岡崎選手が日本代表でゴールを取ってるところも何度も見てきました。実際に同じチームでチームメイトとして接して、本当にサッカー選手としてすごくかっこいいなと思いました。

――チームメイトとしてはどのように関わりましたか?

 試合後や次の日の練習とかで『あの時のプレーこうだったね』とか、毎試合のように声をかけてくれるので、それはすごくありがたかったです。やはり色んな経験を知っている人だからこその、教えてくれる時の説得力もあり、すごく役立ちました。

■3バック導入の日本代表は「より流動的」

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――昨年初めからほぼ休みなしで稼働していたと思いますが、今回のオフはどう過ごしていますか?

 いつもはオフに身体を動かしたり、ジム行ったり、走ったりすることが多かったんですけど、今年はもう体を休めるというところにフォーカスしています。 どこか家族で旅行に出かけたり、家でゆっくりしたり、そういう時間がすごく幸せに感じましたね。

――多忙に拍車をかけるように、今年1月には日本代表デビュー。代表への思いに変化はありましたか?

 元々その気持ちはすごく強かったんですけど、1回選ばれたことによってさらに強くなりました。同じ国を背負って戦う選手たちの活躍などを見ていると、本当に負けたくないと心の底から思ったので。本当に良い経験でした。ただ、それを良い経験で終わらせたくないなというのはすごく感じていますし、本当に負けたくないという気持ちがより一層強くなりました。

――代表は6月活動から3バックを本格導入しました。ご自身が入るとしたどうイメージできますか?

 もちろん試合も見ましたし、 本当にたくさんの選手が良いプレーをして結果を残していたので、また刺激を貰いました。3バックにしたことによって、前の動きがより流動的になり、良い意味で自由に動いている選手が多くいたと感じました。僕が入っても、流動的に動いたり、自由に動いたり、間で受けたりというところのイメージはすごくできました。

――最後に、ファン・サポーターの方々へのメッセージをお願いします。

 いつも応援ありがとうございます。海外初挑戦ということで、数字的にももっともっと伸ばせるというのはすごく実感したので、皆さんのところにもっともっと良い報告が行くように、また1年海外で頑張りたいと思います。よろしくお願いします。

■PROFILE

MF 13 伊藤 涼太郎(いとう・りょうたろう)
1998年2月6日生まれ、26歳。175cm/69kg。大阪府出身。右利き。AVANTI KANSAI FC-C大阪U15-作陽高-浦和-水戸(期限付き)-大分(期限付き)-浦和-水戸(期限付き)-新潟を経て、2023年夏にシント=トロイデンへ完全移籍。2023シーズンは公式戦36試合7ゴール4アシストを記録。2024年1月1日には「TOYO TIRES CUP 2024」のタイ代表戦に先発出場し、日本代表デビューも果たした。(7月19日時点)

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