現地時間27日、カタール・ワールドカップ(W杯)はグループFの第2節が行われ、クロアチア代表とカナダ代表が対戦した。
初戦でモロッコとスコアレスドローに終わった前回大会準優勝国のクロアチアと、ベルギーに敗れて後がないカナダ。互いに今大会初勝利を懸けた重要な一戦だが、試合は早々に動く。
開始わずか2分、GKボージャンからのロングキックを最前線で収めたラリンが右サイドに展開すると、受けたブキャナンがゴール前にクロスを上げる。これを逆サイドからゴール前に飛び込んできたアルフォンソ・デイヴィスが頭で叩きつけ、カナダのW杯初ゴールを記録する。
歴史的なゴールで先制したカナダが勢いに乗り、クロアチアを局面で圧倒するが、徐々に落ち着きを取り戻したクロアチアが流れを引き戻していく。
26分、リヴァヤのダイレクトパスに抜け出したクラマリッチがDFに寄せられながらもエリア内右からゴール左へとシュートを決める。しかし、これはオフサイドによりノーゴール。35分にはコヴァチッチのスルーパスを受けたリヴァヤがエリア内右からシュートを放つも、ここはGKボージャンが正面ではじいてCKへと逃れた。
直後のCK崩れから、コヴァチッチのパスをペナルティーエリア左で受けたペリシッチがエリア内にラストパス。受けたクラマリッチがゴール右へと流し込み、クロアチアが試合を振り出しに戻した。
さらに44分、右サイドからカットインしたユラノヴィッチがペナルティーエリア手前で一度はボールを失うも奪い返し、これを受けたリヴァヤが右足を振り抜くと、強烈なシュートがゴール左へと決まってクロアチアが逆転に成功する。
後半、逆転を許したカナダはエウスタキオとラリンを下げてコネとオソリオを投入。49分にはそのオソリオが中央で仕掛けてシュートを放つも、ゴール左へとわずかに外れる。
リードを広げたいクロアチアは55分、右サイドを抜けたモドリッチの折り返しをフリーのクラマリッチが押し込むも、ここはGKボージャンが反応してCKへと逃れた。
60分、リヴァヤに代えてペトコヴィッチを投入したクロアチアに対し、カナダはラリアに代えてホイレットを投入。思うように決定機が作れないカナダは、A・デイヴィスを前線に上げて点を取りに行く。
しかし、前線までなかなかボールを運ぶことができず、逆にクロアチアのカウンターの機会が増えていく。迎えた70分、ペリシッチからの左クロスをファーサイドで収めたクラマリッチが、トラップと同時に中に持ち出し左足でシュート。これがゴール左へと決まり、クロアチアが決定的な3点目を奪った。
クラマリッチを下げてヴラシッチを投入したクロアチアは、その後も容赦なく前掛かりになったカナダ守備陣の裏を突き、カウンターから効率よくチャンスを作り出していく。カナダは点を取るしかないものの、クロアチアの堅守を前にシュートチャンスまで持ち込むことができず。
終了間際には逆にDFのトラップミスを奪われてカウンターを許し、マイェルが決めて4-1と突き放す。W杯初ゴールで先制したカナダだったが、クロアチアが流れを引き戻して逆転勝ちを収め、地力の違いを見せつけた。
グループFの第3節、大会初勝利を挙げたクロアチアはベルギーと、連敗のカナダはモロッコと対戦する。
■試合結果
クロアチア 4-1 カナダ
■得点者
クロアチア:クラマリッチ(36分、70分)、リヴァヤ(44分)、マイェル(90+4分)
カナダ:A・デイヴィス(2分)