明治安田J1リーグは28日に第10節が行われ、エディオンピースウイング広島ではサンフレッチェ広島と川崎フロンターレが対戦した。
今季4勝5分けで唯一無敗を継続している3位の広島。27日に行われた同節のジュビロ磐田vsFC町田ゼルビアで、首位の町田が0-2で敗れたため、勝てば首位浮上となる一戦。今節に向けては直近のリーグ戦から先発メンバー2名を変更。新井直人、前節に左脇腹付近を痛めて途中交代していた川村拓夢に代わって、越道草太とマルコス・ジュニオールが先発のピッチに立った。
対して、4試合未勝利、ノーゴールと苦境を迎えている17位・川崎F。負ければ他会場の結果次第では降格圏に転落する可能性もある中、前節からはゼ・ヒカルドと山田新に代えて、家長昭博と遠野大弥を起用。また、当初先発予定だったGKチョン・ソンリョンに急遽GK上福元直人がスタメンに名を連ねた。
試合は時間の経過とともにホームの広島が川崎Fを押し込み始める。19分、敵陣中央左サイドでFKを獲得すると、満田誠がボックス内へ放り込む。ニアの松本泰志が逸らし、ファーサイドの越道草太が詰めたが、GK上福元が反応しており、先制点とはならない。さらに23分にも東俊希の左CKをマルコス・ジュニオールがヘディングシュートを放つも、ここでもGK上福元が立ちはだかった。
急遽先発となるも、前半からチームを救うプレーを見せるGK上福元に苦戦する広島。それでも38分、松本のパスを受けた佐々木がボックス左手前から右足でクロスを供給。これを飛び出したGK上福元の前で大橋が頭で合わせ、ゴールネットを揺らした。
新エースの今季7ゴール目で首位浮上へ大きな先制ゴールを奪った広島は45分にもチャンス。左サイドからの加藤陸次樹のクロスを収めた大橋がポストプレー。最後はボックス内から松本がシュートを放つが、GK上福元が触ったボールはクロスバーに直撃。追加点とはならない。
最少失点を誇る広島の堅守の前に、チャンスらしいチャンスを作れない川崎Fは後半開始からエリソンを下げて、小林悠と投入。すると直後、脇坂泰斗の縦パスをボックス内で受けた小林が瀬川祐輔とのワンツーで相手守備陣を打開。GKとの一対一を迎えたが、ここはGK大迫敬介に軍配が上がった。
それでも迎えた65分、川崎Fが5試合ぶりにゴールネットを揺らす。左サイド敵陣深い位置でFKを獲得すると、脇坂がゴール前にクロス。ファーサイドで混戦になった中、小林がゴールに押し込んだ。
ベテランFWの一撃で同点に追いついた川崎Fだったが、74分にアクシデント。ゴールを奪った小林が負傷してしまい、急遽、山田新をスクランブル投入する事態に。しかし、直後の74分、ボックス右に侵攻した家長のパスをボックス中央の山田が右足を振り抜くと、ボールはゴール左隅に決まった。
川崎Fに逆転を許した広島だが、一歩も譲らない。76分、敵陣中央でクリアボールを拾った満田がボックス右手前からゴール前に絶妙なクロス。走り込んでいた加藤が合わせてすぐさま同点に追いついた。
2-2の白熱したゲームは終盤、互いに激しい攻防を見せる。88分には新井直人のシュートが相手に当たってゴール前左に跳ねると、詰めていた大橋がフリーでヘディングシュート。しかし、GK上福元のファインセーブに防がれた。
その後の首位浮上へ勝利が欲しい広島が川崎Fを押し込んだが、最後までゴールは生まれず。2-2で試合終了。広島は無敗継続も3試合連続ドローで首位浮上ならず。川崎Fは5試合ぶりにゴールを決めたものの、5試合未勝利となっている。