15日のラ・リーガ第5節、バルセロナは敵地モンティリビでのジローナ戦に4-1で快勝した。
お互いのスタジアムが100キロしか離れておらず、レンタル移籍などのやり取りも頻繁に行われている、極めて良好な関係を築くカタルーニャのクラブ同士のダービー。ただ昨季行われた2回のダービーでは、チャビ前監督のチームがいずれも4失点を喫して敗戦するなど(あの2回の大敗がなければチャビ前監督の運命は違っていたかもしれない)、スポーツ面だけに限ればバルセロナにとってリベンジを果たしたい相手である。
フリック監督はGKテア・シュテーゲン、DFクンデ、クバルシ、イニゴ・マルティネス、バルデ、MF(後列)カサード、ペドリ、(前列)ヤマル、ダニ・オルモ、ハフィーニャ、FWレヴァンドフスキ(バルセロナ公式戦100試合目)を先発させ、4-2-3-1を使用している。
序盤からボールを保持して攻め込んだバルセロナだったが、ジローナの組織的な守備を前になかなか決定機を生み出せない。だが彼らには、若くしてフットボール界を代表するクラック(名手)の一人になった選手がいた。そう、17歳ヤマルである。
ヤマルはまず30分、相手のゴール付近でダビド・ロペスのボールを奪うと、自らシュートに持ち込んで先制点を決めた。さらに37分には、ハフィーニャが蹴ったFKのこぼれ球をゴール前で拾って、左足を一閃。勢いのあるボールはペナルティーエリア内にできた“足の森”を綺麗に抜けて、枠内左に収まっている。ヤマルは今季ラ・リーガ得点数を3に伸ばしている。
2点のリードを得たバルセロナはその後ジローナの反撃に遭い、43分にはブライアン・ヒルの決定機を許したものの、この場面ではT・シュテーゲンが好守を披露。直後の44分には、ペナルティーエリア内で空中戦を競り合ったイニゴ・マルティネスのハンドを取られたが、これはバルデのクリアボールが当たっただけで、オンフィールドレビューの後に取り消されている。
2点をリードしたまま試合を折り返したバルセロナは、47分に3点目も記録。クンデの左足のフィードからダニ・オルモがペナルティーエリア内右に侵入(レヴァンドフスキのマークを引き付ける動きも効いていた)。背番号10は角度がほとんどないながらも右足でボレーシュートを放ち、ボールはGKガッザニーガのすぐ横を通って枠内に収まっている。オルモはデビュー戦から3試合連続ゴール。
バルセロナの勢いは収まらず、64分には昨季のジローナのようにダービーで4点目を記録。カサードのラインを破るスルーパスからペドリが最終ラインを突破し、ガッザニーガを引きつけながら左足のシュートでネットを揺らした。
4-0としたバルセロナはその後、80分にストゥアニに一矢を報いるゴールを許す。さらに86分には途中出場のフェランがアスプリージャを足裏で踏みつけてしまい、一発退場となった。数的不利となってジローナの攻勢を許したバルセロナだったが、3点リードを維持したまま試合終了のホイッスルを迎え、ラ・リーガ開幕5連勝を達成(2位レアル・マドリーとは勝ち点4差)。前節バジャドリー戦(7-0)に続く大量得点での勝利と、その強さが本物であることを強烈にアピールしている。