2034年ワールドカップ開催地の有力候補となっているサウジアラビアだが、その責任者であるハンマード・アルバラウィ氏がイギリス『スカイスポーツ』のインタビューに答えた。
2034年のワールドカップ開催を目指すサウジアラビア。唯一の立候補国であり、12月11日のFIFA総会で開催地として承認されることが決定的となっているが、同国につきまとう人権侵害問題のイメージをスポーツで浄化する“スポーツウォッシング”疑惑など、様々な問題が指摘されている。
そうした中、『スカイスポーツ』のインタビューに答えたアルバラウィ氏は、サウジアラビアでのワールドカップ開催について「我々は見出しを飾るためにやるのではなく、国民のためにやるんだ。サウジアラビア国民がより長く幸せな生活を送るために投資しており、我々は心から誇りに思っている」と説明。一方で、“スポーツウォッシング”疑惑については明言を避けたという。
また、サウジアラビアでは同性愛は違法であるものの、FIFA規約第4条では性的指向に基づくいかなる差別も禁止している。それでもアルバラウィ氏は、「皆さんは尊重される。サウジアラビアでは歓迎される。その尊重と歓迎は、世界中全ての人へと向けられる。ゲストのプライバシーを尊重する。我々は過去数年間で100を超えるスポーツイベントを開催してきたし、300万人以上のファンが参加して素晴らしい体験をしてきた。人々はサウジアラビアについて学ぶ必要がある。そのための最善策は、実際に訪れてみることだろう」と答えた。
さらに、インフラ投資計画における労働搾取のリスクについては「過去8年で150以上の改革が行われ、そのほとんどが社会改革だ。女性にさらなる機会を提供し、労働者の権利を保護してきた。国民とビジョンに対する義務をすべて果たすことに全力を尽くす」と語っている。
なお、2022年のカタール大会と同じく、気候の問題からサウジアラビア大会も冬開催が濃厚と伝えられてきた。しかし、アルバラウィ氏は「我々は話し合う準備はできている。最終的には連盟、リーグ、FIFAが決定することだ。フットボール・カレンダーは2030年まで決まっているが、それ以降の話し合いはまだ行われていない。要請があれば、いつでも開催する準備ができているよ」と語り、例年通り6月~7月開催にも自信を見せた。
一方で、サウジアラビアでは飲酒が違法であるため、ワールドカップもアルコール禁止になる模様。同氏は「100以上のスポーツイベントを開催したが、300万人のファンをアルコールなしで迎え入れた。彼らは素晴らしい時間を過ごし、サウジアラビアが提供するもの、つまり芸術、音楽、文化、遺産を発見できただろう」とし、別のエンターテインメントを提供すると答えている。