日本代表は21日、2026年ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の第2節でシリア代表との対戦を予定。前回のミャンマー代表戦の起用から、シリア戦の先発メンバーを予想する。【文=河治良幸】
■浅野が左サイドで先発か
(C)Getty imagesアウェーのシリア戦はホームのミャンマー戦より厳しい戦いが予想され、難しいミッションになることが想定される。会場はサウジアラビアのジッダとなるが、シリアはすでに同じ会場で北朝鮮に1−0で勝利しており、そこから移動もなく慣れた環境で、日本を迎え打つことができる。名将エクトル・クーペル監督が堅実な守備とカウンターを植え付けており、前線にはキャプテンでもある192cmのFWアル・ゾマー(アル・アラビ)、テクニックとパワーを兼ね備えたオマル・クリビン(アル・ワハダ)など危険なアタッカーも揃えている。
日本は10月シリーズのメンバーから板倉滉(ボルシア・メンヒェングラートバッハ)と中村敬斗(スタッド・ランス)をケガで招集できず、当初のメンバーから三笘薫(ブライトン)、前田大然(セルティック)、古橋亨梧(セルティック)、川辺駿(スタンダール・リエージュ)、伊藤敦樹(浦和レッズ)が辞退。さらに、ミャンマー戦でスタメンだった鎌田大地(ラツィオ)がケガのために離脱した。渡辺剛(ヘント)と細谷真大(柏レイソル)を追加招集しているが、元々26人だったメンバーは試合にエントリーできる23人ちょうどとなっている。
スタメンを予想するにあたり、大きなヒントになるのはミャンマー戦のスタメンと出場時間だ。これまでの活動でスタメンが多かった選手のうち、菅原由勢(AZ)、伊東純也(スタッド・ランス)、久保建英(レアル・ソシエダ)、浅野拓磨(ボーフム)の4人はミャンマー戦で出場なく終わった。冨安健洋(アーセナル)に関してはコンディションで大事を取った向きもあるが、プレーできない状況ではないと想定されるため、シリア戦に照準を合わせてくるとみられる。
ミャンマー戦のスタメンを見ると、谷口彰悟(アル・ラーヤン)は前半いっぱいで追加招集の渡辺剛と交代、上田綺世(フェイエノールト)も67分に同じく追加招集の細谷真大(柏レイソル)と代わっており、疲労の少ない状態でシリア戦に臨むことができるはず。1トップに関しては10月シリーズで活躍した浅野もいるが、左サイドの選択肢が限られる状況で、浅野をここで起用するのではないかとみている。
■久保を生かす布陣
(C)GOALシステムは4-2-3-1か4-3-3(4-1-4-1)の二者択一だろう。ただ、攻撃においてはもちろん、守備でも相手を見ながら可変できるようになってきており、どちらでスタートしても試合中に変わりうるという意味で、あまり大きな問題ではないかもしれない。ただ、10月のチュニジア戦がそうだったように、久保、遠藤(リヴァプール)、守田英正(スポルティングCP)の三人で中盤を組むのであれば、久保をなるべく高い位置で生かそうとするはず。そうした想定も加味して4-2-3-1にした。
サイドに関しては右の伊東純也は順当だろう。ただし、左サイドは本来の主力である三笘薫がおらず、これまでトルコ戦やカナダ戦でアピールした中村敬斗もいない。相馬勇紀(カーザ・ピア)がミャンマー戦にフル出場している中で、上記の通り浅野が担うと予想しているが、伊東が左に回るプランも無きにしもあらずだ。その場合はミャンマー戦でフル出場だった堂安律の右サイドでのスタメンが有力となるが、南野がキャンマー戦に続きトップ下でスタメンとなれば、久保が右サイドで起用される選択肢も出てくる。
シリア戦は勝負が厳しくなればなるほど、交代選手も重要な役割を担う可能性が高い。ミャンマー戦でフル出場だった相馬はもちろん、追加招集の細谷や佐野海舟(鹿島アントラーズ)にもミャンマー戦に引き続き、途中出場の可能性は大いにありそうだ。右サイドバックもミャンマー戦で出番の無かった菅原がスタメンだとしても、毎熊晟矢(セレッソ大阪)は10月のカナダ戦で終盤に右サイドハーフも経験しているため、試合の状況によっては前目のポジションでの出番も再びあるかもしれない。
事故的な失点も含めて、何が起こるか分からないだけに、できれば早めにリードを奪って、ゲームの主導権を握って行きたい。ただ、苦しんだら苦しんだで、今後に向けたタフさをプラスする機会にもなる。もちろん、最も読めないアウェーの北朝鮮もあることを考えても、しっかりと勝ち点3を取って、元旦に行われるタイ代表との親善試合から、アジアカップに向かう来年に良い流れを持ち込みたい。