明治安田J1リーグでは10日、第36節の浦和レッズvsサンフレッチェ広島が行われた。
首位・ヴィッセル神戸を勝ち点差2で追う2位・広島が、未消化試合が一つ多い暫定15位・浦和のホームに乗り込んだ一戦。浦和はブライアン・リンセンや関根貴大、サミュエル・グスタフソンら、広島はトルガイ・アルスランや川辺駿、塩谷司らを先発起用した。
押し込む広島に対して浦和がロングボールから起点を作って徐々に押し返そうとする構図の立ち上がり。15分にはボックス手前中央のFKで新井直人が直接狙ったがGK西川周作がセーブする。
そこから多くのシュートチャンスを作る広島だったが耐え続けた浦和が前半終了間際の45分にカウンターを発動。ハーフウェイライン上右サイドの関根が前線へ蹴り込むと松尾佑介が抜け出す。そのまま一対一を制して浦和が先制に成功した。
広島側のベンチは関根へのパスの出し手となった渡邊凌磨のトラップ時にハンドがあったとして猛抗議するがVARチェックを終えても判定は覆らない。浦和がリードして試合を折り返す。
後半も開始直後に浦和が立て続けに決定機を創出する。ボックス左に抜け出した松尾のグラウンダーのクロスにフリーの関根が合わせたシュートをGK大迫をしのげば、49分にはボックス手前中央の石原広教が繰り出したミドルシュートがバーに直撃。直後にも松尾のクロスからブライアン・リンセンが強烈なヘディングシュートを浴びせたがここでもGK大迫がビッグセーブを見せる。
広島は52分に最初の交代で新井に代えてゴンサロ・パシエンシアを投入。攻撃的なカードを切って再び盛り返していく。それでも56分、またしても左サイドでボールを持った松尾が中央にカットインしてシュート。軌道上に駆け込んでいたブライアン・リンセンが頭で触れて追加点を決め切る。
対する広島は65分、味方のスルーパスに抜け出した加藤陸次樹がボックス中央に侵攻。一対一の場面でシュートを放ったが枠を外れる。広島は直後にさらに2枚替えを敢行し、松本泰志と東俊希に代えて満田誠と柏好文を送り出す。
その後も互いに選手を入れ替えていく中で浦和は76分にチアゴ・サンタナと前田直輝、80分に原口元気を投入。すると、86分にも再び浦和のカウンターがさく裂する。右サイドで長い距離を運んだ前田が中央にグラウンダーのボールを折り返すと走り込んだ原口が右足で合わせて決定的な3点目。長らく海外クラブでのプレーが続いた原口にとっては2014年以来のJ1での得点となっている。
そして、試合は3-0で浦和が完勝して2試合ぶりの白星を飾った。なお、他会場では首位・神戸が東京ヴェルディとの今節を1-1で終えて勝ち点は「68」。広島は勝てば首位に浮上することができていたが、勝ち点65で2位のままとなり、3位・FC町田ゼルビアが勝ち点63で追走している。残り2試合時点で、今季のJ1優勝争いはこの3チームに絞り込まれた。