レアル・マドリーは16日、フランス代表FWキリアン・エンバペ(25)の入団セレモニーを開催した。
2017年、世界最高の選手になれる才能の持ち主とエンバペを見染めてから7年……レアル・マドリーがついに同選手の入団セレモニーを開くに至った。クラブの本拠地サンティアゴ・ベルナベウには、2009年のFWクリスティアーノ・ロナウドのセレモニーに匹敵する、約8万人のサポーターが集結している。
そのC・ロナウドが子供の頃からのアイドルで、レアル・マドリーを憧れのクラブとしながらも、2017年にはモナコからパリ・サンジェルマンに移籍する道を選んだエンバペ。その後も紆余曲折あって、今夏ついに白いユニフォームに袖を通す夢を叶えたフランス代表FWは、フロレンティーノ・ペレス会長、ピッリ名誉会長、同胞ジネディーヌ・ジダン氏とともにベルナベウのピッチにつくられたステージに立ち、熱狂を伝える約8万人のサポーターに対して、次のような言葉を向けている。
「やあ、みんな。君たちに向けて、スペイン語で話していきたいと思う」
「いや……ここにいられることが信じられない。レアル・マドリーでプレーすることをずっと夢見てきた。そして今日、夢が叶ったんだ。本当に幸せだよ。最初からずっと僕を信頼してくれた会長のフロレンティーノ・ペレスに感謝を。多くのことが起こったけど……ありがとう。同様に、僕がここに来られるよう助けてくれた人たちにも感謝を伝えたい。ここから家族のみんなを目にしている、母さんは泣いているよ」
そうしてエンバペは、左胸のクラブエンブレムにキスをした。スタンドからは大きな歓声が上がり、その後もスピーチが続いた。
「なんて素晴らしい日なんだろう。子供の頃から、たった一つの夢を抱えていた。ここにいられるのは、僕にとって本当に意味のあることなんだ。もう何年も前から、ずっと愛を伝えてくれたマドリディスタ(マドリーファン)たちにはありがとうと言わせてもらいたい。今、僕はもう一つの夢を持っている。それは、僕がこのクラブの歴史に見合うプレーを見せることだ。このクラブとこのエンブレムのために命を捧げるよ」
「そして子供たちに一つだけ伝えたいことがある。僕は君たちみたいな子供だった。情熱と夢があれば、望みは叶うんだよ」
「自分の夢を叶えられて、フットボール史最高のクラブの選手になれて、誇らしい気持ちでいっぱいだ。これ以上は話し続けることはできない。最後には泣いてしまうからね。さあ、全員であれを叫ぼうじゃないか。 1、2、3、アラ・マドリー!」
エンバペはその後、再び左胸のエンブレムにキスをして、再びベルナベウを沸かせたが、その両目は確かに涙で潤んでいた。
取材・文/江間慎一郎