24日のラ・リーガ第7節、レアル・マドリーは本拠地サンティアゴ・ベルナベウでのアラベス戦を3-2で制した。
先のインターナショナルウィークから21日間で7試合を戦うマドリー。その4試合目の相手は第6節までで勝ち点10を獲得し、残留争いどころか欧州カップ出場の可能性すら話題となっている好調アラベスだ。
アンチェロッティ監督はこの試合でエンドリッキを先発させる可能性があると言われたが、結局ロドリゴ、エンバペ、ヴィニシウスの3トップを起用。全スタメンはGKクルトワ、DFルーカス・バスケス、リュディガー、ミリトン、メンディ、MFバルベルデ、チュアメニ、ベリンガム、FWロドリゴ、エンバペ、ヴィニシウス。
ルイス・ガルシア監督率いるアラベスは堅守速攻スタイルのチームで、できるだけ点を取られないことが肝要だったが、そのプランはキックオフから1分後に崩れることになる。レアル・マドリーが、いきなりスコアを動かした。
右サイドのバルベルデがクロースを彷彿させるような高精度のサイドチェンジをヴィニシウスに送る。ヴィニシウスは相対するモウリーニョを一瞬の加速で抜き去り、ペナルティーエリア内左深くまで突き進んでからマイナスのクロス。DFラインが押し下げられて空いたスペースにルーカス・バスケスが入り込み、届いたボールを左足で枠内に押し込んだ。
先制したレアル・マドリーは、その後もボールを保持してアラベス陣地で試合を進める。少しずつエンバペを含めた連係を深めていくチームは、40分にこの背番号9のゴールで点差を広げた。
ピッチ中央のエンバペは、クリスティアーノ・ロナウドを彷彿させるような軸足パスをすぐ左のベリンガムに出してから一気に前線へ駆け上がり、リターンされたボールを受けてペナルティーエリア内に侵入。エリア内では機敏なドリブルで相手DFを翻弄してから右足のシュートでネットを揺らし、ラ・リーガ7試合5得点目(公式戦9試合7得点目)を記録している。数字的には申し分ないエンバペだが、この日の得点がマドリー加入後、最も彼らしさが出ていたゴラッソだった。
2-0で試合を折り返したレアル・マドリーは、49分に3点目を獲得。右サイドのロドリゴが切れ味鋭いドリブルでいとも簡単にプロテソニをかわしてペナルティーエリア内右に侵入し、やや厳しい角度から右足のシュートを決め切った。
アンチェロッティ監督は69分に交代カードを切り、バルベルデ&ロドリゴをモドリッチ&エンドリッキに代える。エンドリッキは73分、右サイドからユニフォームを引っ張られても物ともしない凄まじい馬力のドリブルでペナルティーエリア内に侵入し、左足のシュートでゴールを狙ったが、これはポストに当たっている。イタリア人指揮官はさらに80分、エンバペ&ミリトンも下げてギュレル&バジェホ(今季初出場)をピッチに立たせた。
しかし終盤、レアル・マドリーは慢心がたたってか集中が乱れ、立て続けにアラベスのゴールを許す。まず85分、ベナビデスの狙い澄ましたミドルシュートで1点を返されると、86分にはキケ・ガルシアのDFライン突破を許して再びクルトワを破られている。一気に1点差に詰め寄られてその後もアラベスの攻勢にさらされたマドリーだったが、それ以上の失点は許さずに何とか逃げ切った。公式戦5連勝、ラ・リーガ4連勝で翌日にヘタフェ戦に臨む首位バルセロナとの勝ち点差を暫定で1に縮めている。
なおアンチェロッティ監督にとって、このアラベス戦はレアル・マドリー指揮官として臨む300試合目だった。その成績の内訳は218勝43分け39敗となっている。
■試合結果
レアル・マドリー 3-2 アラベス
■得点
レアル・マドリー:ルーカス・バスケス(1分)、エンバペ(40分)、ロドリゴ(48分)
アラベス:ベナビデス(85分)、キケ・ガルシア(86分)