27日のチャンピオンズリーグ(CL)・リーグフェーズ第5節、アンフィールドを舞台としたリヴァプール対レアル・マドリーは2-0でリヴァプールが勝利を収めた。なおリヴァプールMF遠藤航はベンチスタートとなり出場機会はなかった。
CL第4節まで唯一全勝を貫いているリヴァプールと、2勝2敗と決勝トーナメント進出に向けて余裕なくなってきているマドリーの対戦。マドリーはオサスナ戦(4-0)、レガネス戦(3-0)と連勝して、ようやく調子を上げてきたが、エースのヴィニシウスが負傷離脱を強いられた。レガネス戦に引き続き得意の左サイドでプレーする権利を得たエンバペが、皆が期待するような価値を発揮できるかどうかが成否のカギを握ることになる。
前半はリヴァプールの一方的なペースに。スロット監督のチームは、エンバペのプレス中途半端な右サイド(マドリーの左サイド)から攻撃を構築して、ダルウィンが次々にチャンスを迎えていった。だがマドリーはCLデビューのラウール・アセンシオ、リュディガーのCB2枚とG守護神クルトワが奮闘。4分、ダルウィンが放ったシュートはゴールラインを割る前にラウール・アセンシオがかき出し、23分に再びダルウィンが叩いたボールは眼前のGKクルトワがセーブ。さらに34分、ダルウィンが今度はヘディングでゴールを狙ったものの、ここでもベルギー代表GKが好守を披露している。
対して、中盤に右からギュレル、カマヴィンガ、モドリッチ、ベリンガム、前線にブラヒム、エンバペを並べたマドリーは、リヴァプールの猛攻の合間に速攻からゴールを狙うも、ほとんど機能せず。とりわけエンバペは独りよがりのボール運び、ドリブル突破が目立ち、左サイドで自由というよりも孤独を感じさせた。前半は0-0のまま終了のホイッスルを迎え、ポゼッション率はリヴァプールが65.7%、マドリーが34.3%、シュート本数はリヴァプールが6本(枠内3本)、マドリーが5本(枠内0本)と、両チームの間には確かな差が生まれていた。
後半立ち上がりもリヴァプールが試合を支配すると、52分についにクルトワの牙城を崩すことに成功。マック・アリスターがワン・ツーからペナルティーエリア内に侵入し、右足のシュートを枠内左に沈めている。
苦しくなったアンチェロッティ監督は57分、直前に負傷したカマヴィンガとギュレルを下げてセバジョスとルーカス・バスケスを投入。右サイドバックだったバルベルデを1列上げて、守備時に左サイドで穴となるエンバペはブラヒムとポジションを交換して2トップの右……もっと中央寄りでプレーするようになった。
攻勢を強めるマドリーは59分、ペナルティーエリア内右でルーカス・バスケスがロバートソンに倒されてPKを獲得。しかしキッカーのエンバペが枠内右に向けて放ったシュートは、GKケレハーにセーブされている。一方のリヴァプールは69分、エンバペの持つボールを奪取してから速攻を仕掛け、ペナルティーエリア内でサラーがメンディに倒されてこちらもPKを獲得。しかしながらサラーが蹴ったシュートは、枠の左に外れた。
そして76分、試合の行方を決定づけるゴールが決まった。決めたのは、リヴァプールだ。右CKから、ガクポが打点の高いヘディングシュートでクルトワを破っている。
2点のビハインドを負ったアンチェロッティ監督は、モドリッチを下げてエンドリッキを入れるが、やはり攻撃は完全には機能せず。リヴァプールが終盤も優勢に試合を進め、2点リードのまま終了のホイッスルを迎えた。マドリーはエンバペが緩慢なプレス、簡単なボールロストにパスミス、そしてPK失敗と悪目立ちし、“お荷物”状態に。スペイン国内外で批判の声が強まりそうだ。
リヴァプールはCL5戦全勝でリーグフェーズの首位を走る。昨季CL王者のレアル・マドリーは2勝3敗で24位に位置と、ラウンド16進出に黄信号が灯っている。