29日のチャンピオンズリーグ(CL)・グループD第5節、レアル・ソシエダはホームでのRBザルツブルク戦をスコアレスドローで終えた。MF久保建英はベンチスタートとなり、74分から出場を果たしている。
前節ベンフィカ戦の3-1勝利でCL決勝トーナメント進出突破を決めたソシエダ。グループステージで残る目標は、勝ち点10で並ぶインテルとの首位争いと、各試合に勝利することで手に入る300万ユーロの収入となる。
イマノル監督はル・ノルマン、ミケル・メリーノ、バレネチェア、久保ら多数の主力選手を休ませ、GKレミーロ、DFオドリオソラ、エルストンド、スベルディア、アイエン、MFブライス、スビメンディ、トゥリエンテス、FWアリ・チョー、オヤルサバル、ザハリャンでスタメンを組んだ。
前半、ソシエダはいつも通りボールを保持するものの、主力不在でやはり攻撃の迫力に欠ける。15分にはRBザルツブルクの速攻を許し、ネネにポスト直撃のシュートを放たれて肝を冷やした。その後ソシエダはザハリャやトゥリエンテスを中心にシュートチャンスを迎えるが、チャンスの確度もフィニッシュの精度も低く、スコアレスのまま試合を折り返している。ハーフタイム、イマノル監督はエルストンドをパチェコに代えた。
後半、ソシエダはインテンシティーを高めて攻撃を仕掛けるが、ブライスやザハリャンが放ったシュートはGKシュラーガーの好守に遭い、やはりゴールを割ることができない。イマノル監督は65分にブライスとの交代でバレネチェアを投入。また74分にはオドリオソラ、アリ・チョーを下げてトラオレ、久保をピッチに立たせ、80分にはオヤルサバルをサディクに代えている。
右サイドでトラオレとコンビを組んだ久保は、やはりこの日も相手の徹底マークに遭い、ゴールになかなか近づくことができない。それでも時間が経つに連れて、その“違いを生み出す”能力を発揮した。まず85分、右サイドでボールを受けて相手SBと1対1になると、いとも簡単に相手を抜き去ってチャンスの起点に。だが久保、バレネチェアとボールをつないで、飛び出してきたスビメンディが打ったシュートは、枠を捉えることができなかった。
その後もソシエダは久保を中心としてRBザルツブルクを攻め立てた。91分に迎えたペナルティーエリア手前からのフリーキックでは、日本人MFが直接ゴールを狙ったものの、枠を捉えていたボールはシュラーガーがセーブ。また93分には、久保が速攻からペナルティーエリア内右に侵入したが、叩いたボールはコースが甘く、またもRBザルツブルク守護神に止められた。結局、試合は0-0で終了し、ソシエダは勝ち点1を獲得するだけにとどまっている。
久保はこれで10試合ノーゴールとなった。だが、現地スペインでこの試合を放送した『モビスタール・プルス』では、解説者が「クボが先発していたら勝てた試合だった」との意見も口に。ソシエダが終盤に仕掛けた猛攻は日本人MFが牽引したものだったが、そのプレーは強烈な印象を与えたようだ。
なおグループDのもう一試合、ベンフィカ対インテルは3-3で終了。この結果、同グループの順位は1位ソシエダ(勝ち点11)、2位インテル(勝ち点11)、3位RBザルツブルク(勝ち点3)、4位ベンフィカ(勝ち点1)に。ソシエダは最終節、アウェーのインテル戦で引き分け以上の成績を収めれば、首位通過を決められる。