かつてJリーグで元イタリア代表サルヴァトーレ・スキラッチ氏や元ブラジル代表レオナルド氏らが活躍していた時代について、イタリア紙『イル・ファット・クオティディアーノ』が2日、特集記事を組んだ。
近年は、資金潤沢な中東のリーグがヨーロッパや南米出身のスター選手を爆買いして話題となったが、「ロシアや中国、インド、サウジアラビア以前、かつては日出ずる国がサッカーのスポットライトを動かそうとしていた」と振り返り、「覚えているか…サッカー選手の行先がサウジアラビアではなく、日本だった時を覚えているか…トト・スキラッチからレオナルドまで」との見出しをつけて注目した。
1993年のJリーグ開始以降、鹿島アントラーズや東京ヴェルディ(ヴェルディ川崎)、ジュビロ磐田などが「カンピオーネ(王者)たちを誘い始めた」ことを回想。「Jリーグ創設以前に38歳で日本へ渡った初期のメンバーの1人であるジーコのように、キャリアの終盤にある選手たちに限ったものでもなかった」と説明した。
「最初のシーズンは、ラモン・ディアスや(ゲーリー)リネカーのようなクラスの選手たちがやってきた」とし、「多くの選手たちが日本円に誘惑された」と強調。特に「1990年イタリア・ワールドカップの英雄トト・スキラッチが1994年、インテルからジュビロへ移籍したことは大反響を呼んだ」と振り返った。
さらにダニエレ・マッサーロや「のちにミランの選手となる」レオナルドや、ドゥンガやマジーニョらがJリーグでプレーしたことに言及。「2002年に開催されるW杯への準備にも向けた投資」の側面もあったと説明した。また選手に限らず、セリエA主審のアルフレード・トレンタランジェ氏が審判員のレベルを向上させるために、期間限定でJリーグの笛を吹いたことに触れたほか、のちにアーセナル指揮官となるアーセン・ヴェンゲル氏が名古屋グランパスを率いていたことも紹介した。
■W杯優勝の目標にカルチョの国の見解は?
1993年のJリーグ開幕から30年以上が経過した現在、「日本のリーグはアジア最高峰であることに変わりない」とイタリア紙は主張。「クラブや育成組織による逸材の輩出が強固になり、日本代表はもはや2002年以降、W杯に安定して出場している」と評価した。最後に同紙は、2050年までに日本代表がW杯で優勝するという日本サッカー協会(JFA)の目標も紹介。「やや大きすぎるかもしれないが、トト・スキラッチの時代から状況はかなり向上してきた」と綴り、現在に至るまでの日本サッカーの進歩を称えた。