10日のラ・リーガ第13節、アトレティコ・マドリーは敵地ソン・モッシュでのマジョルカ戦に1-0で勝利した。ディエゴ・シメオネ監督は、この試合の決勝点をアシストした息子FWジュリアーノ・シメオネを称えている。
アトレティコはこの試合、シメオネ監督の三男がゴールを導いた。セットプレーでボールをスローイングしようとしたGKヤン・オブラクが、前線に全速力で走り込むジュリアーノを見て咄嗟にパントキック。ジュリアーノは圧倒的なスピードでまずモヒカを置き去りにし、マフェオとの競り合いにも勝利してそのままPA内に侵入。横パスでフリーで走り込むFWフリアン・アルバレスのゴールをお膳立てしている。
アトレティコ下部組織出身のジュリアーノは、1年レンタルによってアラベスでプレーして、今季アトレティコのトップチームに加入。父親のチームにとって、すでに重要な戦力になりつつある。今季不調に陥っていたアトレティコだが、ジュリアーノは2試合前のラス・パルマス戦(2-0)で初ゴールを決め、チャンピオンズリーグ・PSG戦(2-1)でDFナウエル・モリーナのゴールをアシストし、そしてマジョルカ戦でもアシストを記録と、国王杯ビク戦含めて4連勝を果たしたチームの原動力となっている。何より相手DFラインを突き抜ける圧倒的なスピードと、チャレンジを繰り返すことや競り合いで物怖じしないハートの強さは、大きな武器だ。
そんなジュリアーノについて、父親のシメオネ監督はどう評しているのだろうか。スペイン『DAZN』とのインタビューで、インタビュアーから「ジュリアーノはとても速いですね。父親と似た特徴もあると思いますが、スピードでは上回っているんじゃないですか?」と問われた同指揮官は、次のように冗談を飛ばしている。
「いや。スピードは絶対にないな(笑)」
シメオネ監督は現役時代、狡猾かつ献身的な守備的MFとして名を馳せ、スピードはそこまで強調されない選手だった。
アルゼンチン人指揮官はまた、ジュリアーノがアシストした場面も振り返っている。
「オブラクはジュリアーノが走り出す様を見て、またフリアンは飛ぶように走るジュリアーノが相手の2枚を突破できると信じた。チームメートが突破できると信じ、実際にそのチームメートは突破したんだ」
「ジュリアーノはフィニッシュの場面でエゴイストにならず、フリアンのゴールをお膳立てしている。あのプレーがあったからこそ、私たちはタフで難しい試合を制することができたんだ」