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過密日程で議論白熱のサッカー界…ストライキ実施の可能性は? 大手メディアが分析

サッカー界でストライキが起こる可能性について、大手『ESPN』が分析した。

近年のサッカー界で議論が繰り返されている過密日程問題。トップクラスのサッカー選手はクラブでのリーグ戦や国内カップ戦に加え、チャンピオンズリーグ(CL)などの国際大会、代表チームでの各大会などで多くの試合でプレーすることとなっている。

先日には、選手によるストライキが起こる可能性についてマンチェスター・シティMFロドリが「近いと思う」と発言。それ以前にもアーリング・ハーランドやキリアン・エンバペ、ジュード・ベリンガムなどが過密日程への懸念を表明してきた。

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年間で60試合以上をこなさなければならないトップ選手たちだが、これまでは辛うじて対処できていたと『ESPN』は主張。オフシーズンには推奨されているレベルの休息(3~4週間程度)が設けられており、国際試合の開催についても2年ごとに長期のリカバリー期間が設けられてきたためだ。

しかし、クラブ・ワールドカップ(CWC)の拡大によってその体制も瓦解する可能性があると指摘。国際サッカー連盟(FIFA)はコンフェデレーションズカップが行われていた枠にCWCが置き換えられたとしているが、コンフェデレーションズカップの参加チーム数は8カ国のみだった。

対して、新たなCWCは合計63試合が予定されており、開幕はCL決勝からわずか半月後の6月15日に設定。さらに、6月4日から10日にはワールドカップ予選やUEFAネーションズリーグ決勝が行われることから、コンフェデレーションズカップと比較しても過密日程に拍車をかける度合いは極めて大きなものになると分析されている。

この深刻な状況を伝える『ESPN』だが、実際にストライキが行われる可能性は低いとも。その説明としてEFLリーグ2(イングランド4部相当)で週給500ポンドを受け取り、住宅ローンの支払いをし、家族を養わなければならないような選手の場合、退団に追い込まれて給料を失う覚悟はもてないだろうとの例を提示。過密日程に直面しているのは限られたトップクラブの選手たちであり、各国選手協会に所属しているそれ以外の多くの選手たちがストライキに同意する可能性は低いとみられている。

国際プロサッカー選手会(FIFPRO)のグローバル政策および戦略関係担当ディレクターのアレクサンダー・ビーレフェルト氏は先日、「選手組合は5年以上この問題に取り組んできました。私たちは選手たちの懸念をFIFAに伝えています。イングランド、フランス、イタリアなどの国の組合がプレシーズンごとに選手たちを訪問し、代表チームの選手たちと話をするとき、一番の懸念はその稼働量です」と発言。この言葉の通り、FIFPROや各選手組合はFIFAに対する法的措置に焦点を当てているようだが、実際に問題解決へと導くためにはトップ選手を抱えるクラブのオーナーたちが団結して動く必要があると『ESPN』は主張した。

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