Takefusa KuboGetty Image

PSGの先制点でエンバペをフリーにした久保建英「明らかに僕のメンタル的なミス。こういった小さなミスが人生を変えてしまう」

レアル・ソシエダは14日にチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦ファーストレグ、敵地パルク・デ・プランスでのパリ・サンジェルマン(PSG)戦に臨み、0-2で試合を落とした。MF久保建英は試合後、PSGの先制点が自身のミスから生まれたものと、反省を口にしている。

前半はPSGにポゼッション率で上回られながらも、久保を中心としてよりゴールに近づく鋭い攻撃を仕掛けたソシエダ。だが、ここまでの4試合ノーゴールという決定力不足が響きスコアレスで試合を折り返すと、58分に失点を喫する。

PSGの右CKの場面、ペナルティーエリア中央に送られたクロスがDFマルキーニョスに当たってファーに流れると、フリーとなっていたFWキリアン・エンバペが右足でボールを枠内に押し込んでいる。エンバペがフリーとなっていたのは、久保がカウンターを仕掛けることを意識してか少し前に動き出し、マークを外してしまったためだった。PSGはその後、カウンターからFWブラッドリー・バルコラが追加点を決め、ソシエダに2点のリードをつけて先勝している。

以下に続く

試合終了後、スペインでこの試合を放送した『モビスタール・プルス』とのインタビューに応じた久保は、PSGの先制点について説明。自身のミスであったことを認めている。

「実際、僕のせいでしたね。セカンドボールになったとき、僕はそこから去ろうとしてしまって……。イゴール(・スベルディア)が競り合いで勝ったのが見えましたが、その後で誰かの背中に当たってしまい、その瞬間、すでにスピードがあるエンバペに2メートルの距離をつけられていました」

「(深く息を吐いて)個人的に、そのゴールは僕の責任が大きかったと思っています。それまでは良い試合を演じていましたし……。もうどうしようもないので、セカンドレグでもっと運があることを願っています」

「なぜ僕がエンバペのマークについていたか? 僕たちはその場面で1人少なくて、僕がエンバペをマークする必要があったのですが……結局マークし続けなければいけなかったのに、セカンドボールを追いかけようとして、出て行ってしまいました。僕のメンタル的なミスですし、直したいと思っています。このような試合では、そういった小さなミスが人生を変えてしまうんですから」

ソシエダはこのPSG戦を終えて5試合ノーゴール。久保は少なくとも、この試合では1ゴールは決められたとの感想を述べる。

「前半につくったチャンスの数を考えると、少なくとも1ゴールは持ち帰ってもよかったはずです。そのことにもうんざりしますが、確かに僕たちは決定力を欠いていて、DF陣に毎回失点をゼロにしてくれと頼むわけにもいきません。今日は僕たちも自分やアンドレがチャンスを迎えましたが、一つはゴールにしないといけません。僕たちは自分たちの武器を使って、後方からボールをつないで攻撃していますが、なぜゴールを決められていないのかは……よく分からないです」

この試合でPSGの左サイドバックを務めたのは、この冬の市場でブラジルのサンパウロからPSGに加わった20歳DFルーカス・ベラルド。本職はセンターバックで、前半の久保は同選手をきりきり舞いさせていた。

「僕の相手はルーカス・エルナンデスだと思っていたのですがベラルドで……彼がセンターバックだったのは分かっていましたし、僕の意図は彼に向かっていくことにありました。リズムを変えたり、ファーストタッチで仕掛けたりすれば、苦しむことは分かっていましたから。僕たちは、とりわけ自分たちのサイドで良い攻撃を見せていましたが、でもこういったビッグゲームではゴールを決めなくてはどうにもなりません」

「ラ・レアルは良いプレーを見せ、しっかりと競い合いました。が、結果は0-2なんです。なのでセカンドレグでは、たとえ良いプレーを見せられなくてもゴールを決めなくてはいけません。サポーターの力も借りて、できる限り早くゴールを決め、勝負を分からなくしたいです」

ソシエダはチームのエース、FWミケル・オヤルサバルが負傷でこの試合を欠場。3月5日、本拠地アノエタで行われるセカンドレグには問題なく出場できそうだ。

「マイク(ミケルの英語読み)はチームがボールを持っていても持っていなくても多大な貢献をしてくれます。素晴らしいカリスマ性と経験を持ち、それでいてまだ若い彼はこのクラブの未来であり、現在です。セカンドレグにはいてくれると思いますが、彼だけでなく、ほかの離脱者も帰ってくるはずです。全員が一つにならなければいけません」

「状況は昨季ヨーロッパリーグのローマ戦(ベスト16で対戦。ファーストレグ0-2、セカンドレグ0-0で敗退)と同じですが、今回は違うことをして、結果を変えてやろうと思います」

なお、久保の失点場面の素直な反省に対して、『モビスタール・プルス』の進行役や元スペイン代表DFナチョ・モンレアル氏らコメンテーターは感心の言葉を口にしていた。

広告