バルセロナのチャビ・エルナンデス監督とジョアン・ラポルタ会長の関係について、有力メディア『The Athletic』が伝えている。
今年1月、成績不振から今季限りでバルセロナ指揮官を退任する意向を明かしていたチャビ監督。しかしその後チームの成績が上向く中で、ラポルタ会長やデコSDは(スポーツディレクター)信頼を強調し、2025年まで結ぶ契約の全うを希望。そして4月24日にラポルタ会長宅で行われた話し合いの結果、来季以降も指揮を執ることで合意に至り、翌日の会見で発表していた。
しかし17日、スペインメディアは一斉にラポルタ会長がチャビ監督の解任を検討していると報道。直近のアルメリア戦(2-0)の前日会見で指揮官が語った「クレ(バルセロナファン)は、経済的にスペインでレアル・マドリー、ヨーロッパで他クラブと競争するには状況が非常に複雑であることを理解する必要がある」との発言が逆鱗に触れ、解任へ向かうと伝えられている。
そして『The Athletic』は、ラポルタ会長に近い関係者の発言を紹介。会長はあの発言について、退任を撤回した際にチャビ監督が話していた内容とは真逆だと感じており、さらに2年前にロベルト・レヴァンドフスキらを獲得するために資金を工面したことを指揮官が忘れているとも受け取ったようだ。そして、チャビ監督が感じているよりもチームに競争力があり、さらに指揮官が選手の最大限のポテンシャルを引き出していないとも考えているという。
「十分なチームがないという言い訳は、タイトルを獲得した昨季に彼が使わなかった言葉だ。(昨季から)それほど変化もなかったはず。セルヒオ・ブスケツとウスマン・デンベレだけが去ったが、ラミン・ヤマルはデンベレより大きな影響を与えている」
一方でチャビ監督に近い関係者は、本人がバルセロナを取り巻く勝利至上主義の「犠牲者」と感じていると告白したという。常に勝利と優れたパフォーマンスを提供する義務があるものの、チームには十分な競争力がなく、だからこそ補強を求めているようだ。
『The Athletic』によると、バルセロナ役員の過半数は4月の時点でチャビ監督の退任撤回を歓迎していなかった模様。チャビとラポルタ会長の緊急会議で続投が決まったものの、現在の両者の関係は非常に悪化しているという。そして「チャビが来季バルセロナのプロジェクトを快適に指揮できるとは考えにくい」とし、解任に向かっていると伝えている。