現地時間16日(金)、マンチェスター・ユナイテッドのファンは手詰まり感に堪えていた。フラムとのプレミアリーグ開幕戦は残り2分。試合がまさにスコアレスで終わろうとしていたその時、ジョシュア・ザークツィーがシュートを放ち、新加入したチームを勝利へと導いたのだった。
赤い悪魔はオールド・トラッフォードで輝きを見せられず、特に前線は歯抜けの状態だった。ブルーノ・フェルナンデスとメイソン・マウントはGKベルント・レノに至近距離でのシュートを阻まれ、カゼミーロはシュートを5本放ったが、すべて枠外だった。
途中交代で出場したザークツィーは、チームメイトにゴールの決め方を教えた。アレハンドロ・ガルナチョからのパスを受けると、まったくスペースのないところで絶妙なシュートを放ち、ゴールネットを揺らしたのである。フラムの選手たちはピッチに倒れこみ、ストレットフォード・エンドは歓喜に沸いた。
ザークツィーは、クエンティン・タランティーノとジェイミー・フォックスへのオマージュで、ピストルを撃つ格好をした。ゴールを決めたときのいつものパフォーマンスで、昨シーズンはセリエAのボローニャで11回やった。そのおかげでボローニャは5位でシーズンを終えることができ、史上初めてチャンピオンズリーグ出場権を得たのだった。
「映画の『ジャンゴ 繋がれざる者』で観たんだ」と、昨シーズン、ザークツィーは『ガゼッタ・デロ・スポルト』で語った。「ジャンゴが銃の撃ち方を習う場面があるんだ。それを真似しようと思った」
マンチェスター・Uのファンは、ザークツィーに深刻な得点力不足を解決してもらおうとは思っていなかったかもしれない。しかも、こんなに早くとは。だが、ザークツィーは引き金を引いて的を撃ちぬいた。この調子が続けばマンチェスター・U最大の問題である、決定力不足の解決に役立つことだろう。